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シリーズ「パラグライダーで墜落 そして入院」

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パラグライダーの大会でまさかの墜落。硬い地面に叩きつけられながらも数々の奇跡でなんとか生きのびる。手術や治療のことから心の動きまで様々なことを時系列で語っています。
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2023年12月の記事一覧

ふとしたことで心が走り出す ~第35話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と15日程が経った日の出来事です。 入院をしてから「ふとしたこと」をきっかけとして色んなことが起きることが増えました。その内容は様々ですが、今の自分の現実を突きつけられたり、心の奥底に秘めていたはずの思いが急に溢れ出てきてしまったりと、多くの場合は涙してしまうようなことがおおいですね。 この日も「ふとしたこと」がきっかけで感情が走ってしまいました。 夕方頃のことです。お手洗いから戻るとき、夕日がすごくきれいなのが廊下の先の大きな窓から見えたんです。思わず

不幸やピンチは重なる。 ~第34話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と7日が経った日のことです。 パラグライダーを10年以上続けてきて、学んだことは沢山あります。 その中で大きな学びというか、教訓が一つあります。 「不幸やピンチなけっこう重なる」 というものです。パラグライダーで飛んでいる時にちょっとしたトラブルやピンチな状況に遭遇することはどうしてもあります。またはそうなった人の話も聞いたりもします。本当はそういうことは極力ない方がいいんですけどね。起きてしまうことはどうしてもあります。 その中で私が学んだことは、

免荷が外れてフル荷重へ ここまで歩けるように!~第33話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と7日が経った日のことです。 ついに免荷重がなくなる日がやってきました。 パラグライダーの墜落で腰、骨盤、左の踵を酷く骨折してしまいました。左の踵は免荷重といって荷重制限がありました。 ↑に詳しく書いておりますが、左足の免荷重は2ヶ月かけて段階的に解除されていきます。そして墜落から2ヶ月と7日がたったこの日、完全に体重をかけられるようになりました。 リハビリの観点からみても、この日は大きな意味があります。 全体重をかけていいということは、普通に歩くこと

体も心もレッツ☆ブートキャンプ ~第32話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落して2ヶ月と5日程経った頃のお話です。 人というのは認識の仕方や捉え方を変えることで対象に対する印象、感情、思いは大きく変わるものです。この入院生活において、あることの捉え方を変えようと思いました。 それはリハビリについての認識です。マッサージ、ストレッチ、筋トレなどやること自体の認識は正しかったです。でもこんなにハードできついものだなんて全然しらなかった。。。。想像の何十倍もきつい。。。 これが、、、リハビリ・・・? リハビリってこんなにハードなの??? となった

プロジェクトFC ~第31話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落して2ヶ月と5日程経った頃のお話です。 病院での入院生活。色々と不満やストレスがだんだん溜まってくるのは当然の話です。その中でも大きな不満がどうしても溜まってしまうもの。。。それは食事です。 ↑こちらで詳しく書いていますが、幸運にも私が入院している病院はかなり食事に力をいれているところでした。病院食自体はかなり美味しい方だと思います。 それでも、、、「病院食」ですから、味は薄めですし、出てくるメニューも健康的なものがほとんどです。 もともと自分はジャンクフードや濃い

ふとしたことがきっかけで爆発する感情 ~第30話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落して2ヶ月程経った頃のお話です。 免荷重の左足が自重の2/3まで負荷をかけられるようになって10日程が経ちました。左足に荷重をかけることにも慣れてきているし、リハビリが進んでいることも実感しています。 また最近は墜落したことに対する思いの消化も出来てきいます。 ↑にも書いていますが、 「いくつもの奇跡が重なったことで自分が生かされた理由はすぐに見つかるものじゃない。これから時間をかけて探していけばいい。」 そう思えるようになったことはかなり大きいです。そう思えるように

パラグライダーで墜落。そして入院。その29 ~I am photographer~

墜落して1ヶ月と25日程経った頃のお話です。 墜落して2ヶ月後の月末が提出期限のフォトコンテストがありました。もともと出そうと思っていたコンテストでした。 2つの作品をだそうと思っていたのですが、墜落したことで計画がくずれてしまいました。追加で何かを撮ることはもう物理的には不可能です。ですが、病室でパソコン作業をすることはできる。 「今できることをやろう。今の体ではできる範囲は狭いけれど、できるベストを尽くそう。」 そう決めました。 言うのは簡単ですが、パソコンでフ

生きる上で最も大切なこと ~第28話 パラグライダーで墜落。そして入院。~

はじめに 墜落して1ヶ月と25日程経った頃のお話です。 今回は真剣で、踏み込んだ内容を書こうを思います。 世の中のタブー的な部分にも触れることになるので、批判が来る内容かもしれません。でも今回はあえて自分の考えを書いてみようと思います。 リハビリ病棟へ移動して2週間ほどが経ちました。急性期とリハビリ病棟の両方を見てきて、とある「病院の現実」を知りました。 なんといいますか。。。、入院する前に想像していた病院の姿と現実はかけ離れていたんです。 入院患者のほとんどが高齢

パラグライダーで墜落。そして入院。その27 ~2/3荷重へ〜

墜落して1ヶ月と20日程経った頃のお話です。 前回投稿したように心は大きく乱れていましたが、友達の言葉のお陰で一筋の光が見えて落ち着きはじめていっています。 奇跡を起こした理由、生かされた理由をこれからゆっくり探して行こうと思います。 さて、心がどんな状態であろうとリハビリは毎日3回、必ずあります。私もそこはしっかり気持ちを切り替えて取り組むようにしています。 そんな中、リハビリが新たなステップへ進みました。 左足のかけていい荷重が体重の1/3から2/3へとステップアッ

ありえない奇跡の理由。見つからない答えを探して 〜第26話 パラグライダーで墜落、そして入院~

墜落して1ヶ月と20日程経った頃のお話です。 手術が終わり、3週間程経ち、病院での生活も安定してきいます。いい意味でいえば日々の生活が安定化してきました。やるべき事は体を戻すためにリハビリをひたすら頑張る。そんな日々が続いています。 悪く言えば、同じ様にリハビリをする毎日。同じ場所。同じ景色。変わり映えのしない日々が続きます。 そんな中、この日の夜はまた精神的に大きく落ちてしまいました。 リハビリは順調に進んていますが、日々の変化は微々たるもの。。。2週間前を振り返れば結

「K」のつく療法士には気をつけろ ~第25話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落して1ヶ月と19日程経った頃のお話です。 リハビリ病棟に移動して数日が経ちました。この頃の体の状態としては、ピックアップ歩行器を使って片足歩きすることにも慣れてきた頃でした。病院内を思ったようにある程度動きまわれるくらいになっていました。 リハビリ病棟に移って担当になったKDさん。休日や外回りの関係でなかなかあえませんでした。やっと施術をしてもらえたのはお引越しをしてから5日後となってしまいましたが、KDさんもドSでハードなリハビリをしてくれる、すばしい理学療法士さん

パラグライダーで墜落。そして入院。その24 ~病棟の引っ越しで起きた悲劇~

墜落して1ヶ月と13日頃のお話です。 他の病院がどうなのかはわかりませんが、自分の入院している病院はすごく大きいこともあって、どうやら縦割りの組織の様です。さらにできたばかりの病院ということもあるのか、組織間の連携や情報共有がかなり苦手なようです。 (この辺の話はまた別の投稿で「病院生活での動き方のコツ」などのテーマで詳しく書いていこうと思います) そんな情報の連携がうまく行かない病院で、急性期病棟からリハビリ病棟に移動したときに起きた色々なことを話して行こうと思います