アルセーヌ・ルパン『謎の家』-強大な恋敵と怪盗の名誉を巡ってルパンが戦う-
ルパンは、モンマルトルに住んでいるアルレットに会いに行くが不在だった。
クリシー通り14番地に住む友達の家に行ったという。
(クリシー通りは、モンマルトルでは比較的有名な通りだと思います)
ルパンは彼女の母親と話をしていて、ファジュローは大変な金持ちで、結婚支度金も準備するとアルレットに言っているらしい。
ファジュローはアルレットのことが好きなんだと分かったとき、ルパンはアルレットが自分にとって大きな存在になっていることに気づいた。
ルパンがクリシー通り14番地に行くと、1階が工場のビルでこんなところにアルレットの友達が本当に住んでいるのかと不審に思い、(案の定!?)中に入ると一撃をくらわされ、しばりあげられる。
本当はアルレットにしかけられた罠だったが、ルパンがひっかかってしまった・・・。
犯人は、骨董店の女性とマルタン(この2人は姉妹)、そして男性の老人だった。
この老人は姉妹の父で市会議員を殺した人物の人相と似ていた。
そしてルパンが囚われ身のところに、アルレットも来て同じ目に・・・。
3人は放火しようと、ガソリン缶についている縄に火をつける。
ルパンは縄をほどこうともがくが、縄をつたって火がガソリン缶に到達しそうな時にファジュローが助けに来る。
アルレットも助け出されるが、放火した女が彼女を車でさらった時の女だという。
ルパンはアルレットを助けたファジュローに対して悔しさ100倍!
(これは悔しくて仕方ないでしょう!愛する女性は自分が助けたいですからね。ルパンの悔しさがすごく伝わってくる場面です)
直接、ファジュローと話すが、それはルパンにとって思いもかけないことを知らされることになった。
伯爵は1世紀に渡って呪われているあの屋敷を売りに出すことを希望しており、そこにアルレットとファジュローが住むことになっていること、そして2人が婚約したことは、ルパンにとって痛手だった。
ルパンはファジュローの話に不意打ちをくらう。
ファジュローとアルレットの交際、思いがけない2人の結婚、伯爵家が2人に家を売ることなど・・。
(ルパンは、この時点で失恋したのか⁉ 三角関係が今後どうなるのか⁉)
ルパンは事件解決のために、ファジュローに一緒に協力し合おうと言い、彼もそれに応えるが、ルパンは内心ファジュローを打ち負かすことを考えていた。
世間でも3人(マルタン姉妹とその父)の事件が公表され、ダイヤのチュニックを盗んだことや、メラマール家に対する陰謀、市会議員の殺害など、全てこの3人の犯行であろうと推測され、一味の逮捕は時間の問題と思われた。
そしてファジュローという男がどうして今、こんなに金持ちなのかルパンには分からなかった。
ファジュローの過去を調べても、お金に恵まれている様子はなかった。
ある日、ルパンの恋敵となっている憎きファジュローが、ヴァン・フーベンと一緒にラボルド通りをを歩きながら、「バーネット探偵社」の前で話し込んでいるのをルパンが目撃。
「バーネット探偵社」は、ルパンが経営(!?)している探偵社ですね。
拙著では、「バーネット探偵社」についても紹介しているので、あわせてお読みくださいませ^^
ルパンは、自分が「怪盗アルセーヌ・ルパン」であることに、ファジュローが気づいていることを察する。(いよいよ自分の身が危なくなってきた!とルパンは思っている)
ルパンはファジュローの住んでいるモンディアルホテルの守衛を買収していて、彼がある女と電話で話をしており、シャンドマルス庭園で会う約束をしていることをつきとめる。
エッフェル塔の下や庭園の中を歩き回っていると、ベンチで死んでいる老婆を発見。
死んでいた老婆はマルタン姉妹の姉で、服から「Arsene Lupin」と書かれた紙切れが見つかる。
この事件が公表されると、世間はルパンは人は殺さない主義だと反発。
そしてついにルパンはファジュローとアルレットをめぐって決闘することに。
決闘の日を迎えるまでに、伯爵家に関することも調査し、ようやく全貌がつかめてきたところで、老婆殺しの犯人がルパンなのでは!?という新聞記事を目にする。
この記事はファジュローが流したにちがいないとルパンは激怒 (ルパンは人を殺さない主義だから激怒するのも最もなこと)。
(そしてこの時点で、ファジュローの二面性がうっすら出てきます。一見良い人に見えるんですが、実は・・・⁉)
そしてついに決闘の日を迎えることに・・・。
続く。
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