アルセーヌ・ルパン『特捜班ビクトール』-その1 盗まれた国防債券!ビクトール刑事がパリの街を駆け巡る-
(Spoiler Alert!ネタバレ注意!)
みなさん、こんにちは!
今回から、『特捜班ビクトール』をご紹介していきたいと思います。
この物語は、盗まれた国防債券事件を発端としています。
『特捜班ビクトール』が好きかと言われれば、この物語も私にとっては微妙です💦
ですが、パリやパリ近郊のいろんな場所が登場するので、聖地巡礼が好きな人にとっては、楽しめるストーリーだと思います。
拙著でも紹介しているので、本を読みながら、パリを歩いている気分になって頂ければ嬉しいです。
因みに、私の好きなアルセーヌ・ルパン作品のTOP3は以下です。
1 八点鐘
2 水晶の栓
3 ルパン対ホームズ
タイトルにもなっているビクトール刑事は、50歳くらいで、パリのテルヌ地区に住んでいます。
彼はそこそこ財産もあり、気ままな生活を送っています。
そして、警察上部からの指示でも自分が乗り気でない事件はなかなか腰をあげないが、自分が気になる事件では率先して事件を率いるという性格の人。
私はこのテルヌ地区が個人的に好きで、特にテルヌ広場は気に入っています。
後程ご紹介するクリシー地区と比べると、治安もいいほうだと思います。
それでは早速みていきたいと思いますが、アルセーヌ・ルパンやフランスの旅、謎解きや推理・探偵小説がお好きな方は、拙著とYoutubeもあわせてご覧いただけると嬉しいです。
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https://www.youtube.com/channel/UCJLOYQcaT1uWCdOOZKjplig
ある日の午後、ビクトールがクリシー通り(boulevard de Clichy)のカフェで夕刊に目を通すと、ルパンの目撃情報が掲載されていた。
そのあと近くにあるシネ・バルタザール(Ciné Balthazar)という映画館に入ると、一人の美しい女性が目が留まる。
突然、1階から「泥棒だ!あの女を捕まえてくれ」という声がし、男がクリシー広場に向かって追いかけていったが、逃げられてしまう。
ビクトールがこの男から事情を聴くと、この男は銀行員で先日起こった国防債券事件以来、行方をくらましていた。
女は、この男が持っていた国防債券をねらっていたのだ。
その女とは3日前に知り合ったばかりで、名前はエルネスティーヌだという。
(クリシー通りを含め、クリシー地区はパリの北西に位置する地域です。
クリシー通りにはあの有名なムーラン・ルージュがあります。
クリシー地区はあまり治安がよくないので、夜は行かないほうがいいですね。)
ビクトールは、エルネスティーヌという名前のタイピストが、モンタボール通りの会社に勤めていることを突き止める。
(この通りと平行して、ルパンシリーズによく登場するリボリ通りがあります。)
ビクトールが単刀直入にエルネスティーヌに「黄色い封筒はあなたが盗んだのか?」と聞くと、彼女は泣き崩れ、その封筒を拾っただけだと弁明する。
そして、封筒は会社の自分の机に保管していると彼女が言うので、ビクトールが一緒に付いて行くが、なくなっていた・・・。
ビクトールは、エルネスティーヌの件で会社に電話をしたときに、一人の女性がその電話の内容を聞いていたことが判明。
その女性はサン・クルーに住んでいるらしく、ビクトールは急ぎそこへ向かう。
(『813』でよく登場していたパリ郊外のサン・クルーが、また出てきましたね。
『カリオストロの復讐』で登場したル・ベジネもそうですが、ルパンシリーズに登場するパリ郊外といえば、パリの西に位置する地域(ル・ベジネ、サン・クルー、ガルシュ)がほとんどだということがわかります。)
サン・クルーの駅で、その女性をつかまえることが出来たが、彼女は封筒を持っていなかった・・。
続く。
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