文豪の作品を少しずつ読むようになったのはここ数年のこと。
だから今が良きタイミングだった。
純文学は感想文を書かせたら刺さるところがみんなバラバラになる、とどこかで聞いて震えた。
同じ人でも年齢で異なる。
だから一冊の本を生涯大事に持つことができるのか。
作品を風呂敷だとして、広げた風呂敷の模様が美しかった、そんな感想でもいいのだ。
私にとって宮沢賢治の作品は「はぁぁぁ美しい……」と抱きしめるものだが、何年か経ったら違う感情を抱くのかもしれない。
今からすごく楽しみだ。
本を紹介する動画やコラムが大好物だ。
自分のモノにしてる読み方に憧れるし、もっと知りたい。
とある絵本作家さんが本棚から取り出した夏目漱石『それから』。
「百合の描写にたまらなくなって描いちゃったんです…本に落書きなんて罪悪感があるけど、でも手元にずっと置きたいから挿絵を描いてもいいかなって、責任をもって一生持ち続けます」
ページの余白に可憐な百合の花。
そんなの、間違いなく自分だけの一冊。
夢十夜の百合はなんとも色っぽい。
国語の先生だったらよかったなぁ。