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生き物調査【3期目】

田植えをしてから一月以上が経ちました。この間はただただ田んぼを練り歩いて除草作業をしていまして、時が過ぎるのがとてもゆっくりに感じました。そのおかげか太ももの筋肉が結構しっかりとしてきて、お酒造りにも役立つトレーニングになったかと思います。

仕上げの手取り除草の様子

稲の生育もほとんど順調なのですが、一圃場だけ初期にイネミズゾウムシにやられまして、生育がけっこう遅れてしまいました。今後の生育管理は遅れてでも中干しするべきなのか、それとも諦めてずっと水をいれっぱなしのほうが良いのか、今からとても悩んでいます。はてさてどうしたものか‥

棚田圃場(7/4)
虫害にあった圃場(7/4)
犯行現場

さて、昨年と一週間ほど遅れてしまいましたが、今年も生き物を大切にできてるかの確認も含めて生物調査をおこないました。また、今年から新しく請け負った棚田についても調査しました。なんだか昨年とは違った特色が出てきております。

生き物調査

生き物調査中

調査方法は例年通りこちらの方法で行いました。

調査結果はこちらです。赤く塗ってある箇所は昨年よりも減少していそうな、また青く塗ってあるところは増加していそうな項目です。

2021〜2023年中干し前生物調査における
カエル類および水生生物の観測個体数

カエル類

こちらは田んぼ1、2で減少していそうな結果となりました。要因として考えられるのは春の入水タイミングです。昨年あまりにもカエルがいて、そのために他の生き物が減少した可能性があるとおもっていたので、今年は昨年より1週間だけ遅く入水しました。

トノサマガエルの猛威(2022年)

思ったよりも減少していますが、おそらく他の圃場にカエルも分散してくれたのかもしれません。

水生甲虫類

こちらの項目はあまり大きな増減はなさそうです。残念。

コシマゲンゴロウ×2

水生カメムシ類

こちらはカエルとは真逆で(田んぼ2のコオイムシ以外)増加してました。この3年間の結果をふまえると、どうやらカエルの数と負の相関がある可能性が考えられます(水生カメムシ類はカエルの食料になっているかもしれません)。

水生カメムシ類
写真左側がコオイムシ、中央がマツモムシ、
右上のコオイムシが背中に乗っているのがミズカマキリ


その他水生生物

今年はこれまでと違い、貝類が激増していました。要因は全くわかりませんが、とてもいいことだと思います。今回は初登場のモノアラガイとヒラマキミズマイマイを紹介します。

New モノアラガイ(準絶滅危惧種)

今年の春に『やたらと小さい貝が多いな、マルタニシの子供かな?』と思っていましたが、いつになっても成長しないのでおかしいなと思って調べたら別の種類でした。こちらの貝はヘイケボタルの幼虫の餌となる貝らしいので、今後たくさん見れるようになるかもしれません。

New ヒラマキミズマイマイ(準絶滅危惧種:愛知)
背景は5mm四方

ひらぺったくてとっても小さいアンモナイトみたいな貝。こちらもホタルの幼虫のエサになるらしいです。

棚田圃場

今年無農薬栽培1年目ということもあって、特に生き物の種類が多いわけではなかったです。ただここにしか居ないヌマガエルや沢山のマルタニシも生息しているので、数年後には面白い結果になるかもしれませんね。

今後が楽しみな棚田圃場(7/10)

最後に

カエル類以外は大きな減少もなく、新しい種類も確認できて、順調に生き物の生活の場としての機能が増しているように思います。その一方で水生カメムシ類のような増殖が伸び悩んでいる種もいるので、来年は田んぼの一部でも年中水がある場所をつくってみるのが良いかもしれません。

おわり

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