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散文集「アカリヲトモス」

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詩よりも長く、エッセイよりも短い、ジャンルに当てはまらない「想い」を散文と呼びお届けします。
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#散文

涙のカラクリ【散文】

涙のカラクリ【散文】

私たちは瞳から
何を流すのだろう

誰かを深く想う時
私たちは光輝くものを
瞳に浮かべる
それは一体どんなカラクリで
何で出来ているというのか
その正体を想い描く

涙はとてもキラキラする
その奥の瞳は
うっすら赤くウルんでいる
何が起きているの?

何かが動いている
エネルギーが移ろい
押し出すものがある

心の反映であるもの
心という宇宙の枠を越えて
何かが産まれる

自分という宇宙の窓から

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「思う」ということ【散文】

「思う」ということ【散文】

「思う」ということは
人間特有の柔らかな技
思うことは変化するし
強かったり弱かったり
移ろいやすくて
強靭でもあり…

何かに対して感想を持つことや
何かをどうにかしたいと願うこと
なんだか人間の豊かさは
そこにあるような気がする

何を思うのかは
コントロール出来ることもあるし
出来ないこともあり
不思議と自分というものが滲み出て
自分を知る手がかりとなる

人が何を思っているのかは
全て知る

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小説が泣いていた【散文】

小説が泣いていた【散文】

自分の悩みに対して
結論が出ている人は
小説を書ける

何かに強く捉えられて
心を侵食されたなら
空色のラムネがペンとなって
くるくると書けてしまうんだろう
その小説を

意味深いまぁるい空間を
言葉が満たして
涙のような成分の凝縮された
読み物となる

心の中
読んだ物は広がり
宇宙を染める 
それはきっと
答えに等しいような
「慰め」や「希望」という光を
与えられた印で
ショックと共に温かな温

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