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*知っているとお得です◎ 糀菌は何度で死ぬのか?


目に見えない菌は空気中や土中、人間の体の中までたくさんの種類が生息していて、私たちが知らない間に強く影響を与えている。
今ここに、どんな菌がいて、どんな作用をしているのか、私たちには分かりっこない。
けれど、確かに菌の働きによる変化があって、発酵しているな、とか腐ってるな、とかが分かる。
自分で発酵食品を作り始めると、米や大豆を発酵させたり腐らせたり、作る予定でなかったものが出来たりした。
美味しい濁酒も作ったけれど、まずい濁酒も作ったし、ノンアルコール濁酒も出来た。
お酢を作ろうとしたけれど、アルコール度数が高すぎて待てど暮らせど酢酸発酵なぞせず、しまいには酸膜酵母の膜が酢酸菌の膜だと思って大事にしていたら、ただのまずい液体になってしまった。
豆味噌や醤油の麹は何度も納豆になった。

菌も生きているからこちらの都合通りにはいかず、なぜそれが出来たのか分からなかったら、同じものが二度とは作れないなんてことになる。

豆麴

麹作りは麹菌が死んでしまう温度や心地よい温度を知っておかないと、必ず失敗したり、予定でなかったものが出来上がる。
発酵食を作り始めた時に、「麹菌は40度で死ぬ」と聞いた。
だから、米糀を仕込むのも、豆味噌麹も醤油麹も40度を超えないように気を付けた。
けれど、仕込みを初めてしばらく経つと、米糀を仕込むための白い麹菌は40度を超えても死んでいないことに気付いた。
豆味噌や醤油を仕込むための緑色の菌は40度を超えると必ず納豆になったから、麹菌が死んでしまったことが分かったが、米糀の方はちゃんと発酵して糀になってくれた。
いったい麹菌は何度で死ぬのか?米用の麹菌と、豆用の麹菌とでは温度に違いがありそうだ。
ネットで調べてみると、麹菌が死ぬ温度は様々な説があり、40度で死ぬという人と、55度で死ぬという人と、70度で死ぬという人がいた。
地元の酒蔵で麹仕込みの見学をさせてもらった時は、47度まで大丈夫と言われた。
一体、どれなのか?
経験からではあるが、たぶん40度で死ぬのは醤油麹菌や豆味噌用の麹菌のことで、
70度で死ぬ、というのは酵素が失活する温度のことではないかと思う。
甘酒を作るときには50~60度の温度を保つが、これは酵素が一番活性化する温度で、この時米糀の麹菌は死滅している。
そしてタンパク質である酵素は70度を超えると失活するのだ。
そして、酒蔵で聞いた糀作りの発酵熱は47度まで大丈夫、ということだから、
47度では死なないけれど、それ以上だと危ないよ、ということだろう。
やっぱり55度あたりが正解かもしれない。

なんてあいまいな答えしか出せないが、一応何度も経験しているので間違いではないだろう。

発酵食品を作るためには、様々な菌に働いてもらう必要がある。
糀菌はじめ、乳酸菌、酵母菌、納豆菌、酢酸菌・・
これらの菌が何度で活動し始めて、何度で死滅するのか、
そして、その菌は酸素を好むのか好まないのか、
それらを知っていないととんでもない失敗をする。

気を付けたいのは、豆を発酵させる時だ。
米と違ってタンパク質が多い豆は雑菌が付きやすく、納豆菌の大好物である。
腐敗したり、納豆になったり簡単に失敗する。
発酵関係の本にも、豆麹は素人判断で保温をしすぎないように、と書いてある。
保温する場合は、40度を超えないことと、気温があまり高くないこと、発酵中は1日に何度か温度の確認ができ対応出来るよう予定を開けておく事をお勧めする。
失敗も大事な経験ではあるが、豆味噌を仕込むための何キロもの大豆が納豆になった時の悲しさはあまり経験したくないものである。


なっとうきんはどこにでもおるんよ

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