*砂糖がダメならこれ仕込もう! 甘酒で作るかんたん米飴
甘いものを食べるとなんだか幸せな気分になる。
ほっと一息ついて、気持ちを落ち着かせることができるし、
さっきまで嫌な気分だったのが、甘いものを食べると
まぁいっか、なんてことになる。
一日の中で何度かそんな時間を持ちながら、気分を入れ替えて前に進める・・ような気がする。
けれど、白砂糖が体に合わなくなってから、
普段の食事の甘みには味醂を使い、
おやつの甘みには甜菜糖や米あめ、甘酒や味醂粕を使って十分甘さは事足りるようになった。
初めての米あめは麦芽から作ったのだけれど、
なんだかすごい時間と手間がかかったわりに、出来上がりの量がほんの少しだったので、
使うのがもったいなくて、後生大事に冷蔵庫の中にしまっておいたら、
なんとカビが浮いてきた。
もちろん捨てたりしない。カビを取り除いて、また冷蔵庫にしまいこむのだ。
早く使えよ!と自分に突っ込みを入れながら、
こんな手間のかかるものは、二度と作らないな、と思っていたけれど、
玄麦が少し残った年にもう一度作ってみることにした。
二度目とあって、なんともすんなりと作れてしまい、
そんなに手間もかからないじゃないか、と以前の自分にあきれてしまうのだった。
米飴の作り方は簡単で、要は、
お米のでんぷん質を、麦芽か、米糀の糖化酵素(アミラーゼ)を使って糖化させたもの(=甘酒)を絞って液体を煮詰める。
それだけ。
麦芽で作る場合は玄麦を発芽させるため、少々手間と時間を要し、
以前の私のように「使うのがもったいない!」なんて事になりかねないので、
まずは米糀を使って作るほうからやってみると簡単で、
時間も手間もそんなにかからず作れるのではないだろうか。
甘酒から米飴を作る
材料:もち米1合 米糀200g(けっこうテキトーでも大丈夫)
①もち米1合に水2合でおかゆを炊く。
②60度以下に冷まし、米糀を投入しよく混ぜたものを、50~60度で12時間以上保温し甘酒を作る。
Point米糀には糖化酵素のアミラーゼが含まれているが、この酵素はタンパク質で、70℃以上になると失活するので気を付ける。
③さらしで絞って液体と粕に分ける。
④液体を鍋に移し、火にかけ煮詰める。はじめは強めの中火で、少々ほっといてもよい。
⑤少し煮詰まってきて、泡が出てき出したら焦がさないように火を弱め、混ぜ続ける。
ここからは目が離せない。
⑥少しとろみが着き、琥珀色に変化してきたら、好みのとろみ加減で火からおろす。
もしとろみがつきすぎ、硬くなりすぎた場合は、お湯で緩めることもできる。
Point冷めると固くなるので、少しゆるいかと思うくらいでちょうど良い。
とろみが強いと糖度も高く、保存性が良いが、硬いので使いにくい。
まさに飴になる。
とろみが緩いと使いやすいが、保存性があまりないので、冷蔵庫保存で早めに使う。
絞って500mlだった液体は煮詰めると約150ml程になった。
保存瓶に入れて冷暗所か冷蔵庫で保管。
ゆるいほど日持ちしないので早めに使うこと。カビが生えたらもったいないもんね。
そのままなめても美味しいよ。
絞り粕も液体は絞ったとはいえ甘酒なので、薄めて飲むこともできるし、
ミキサーにかけてから冷凍保存できるから、おやつの甘味に使ってもいい。
最近うちではこの甘酒絞り粕でみりんを仕込んでいる。
みりん仕込みはまた他の投稿でご案内します。
麦芽から米飴を作る
玄麦があって、手間をおしまないなら麦芽米あめも仕込んでみても面白い。
麦芽とは、玄麦を発芽させたもので、この発芽したての玄麦には米糀と同じように糖化酵素のアミラーゼがたくさん含まれている。
この酵素を利用して甘酒を作り、先ほどと同じように煮詰めていく。
材料:玄麦70g 白米2合
①玄麦を発芽させる。根っこが出てくるまで2日ほど(気温により変化する)水につけておく。毎日水を換える。
②まず先に”根っこ”が出てくる。
根が出てきたら、ザルに入れ替え、乾燥しないようにビニール袋を被せ、毎日水をかける。
③根が3本出た後に、”芽”が出てくる。
芽が麦と同じ長さくらいになったら完成。
Pointはじめて麦芽させた時は、芽が伸びすぎてしまい、少し青臭さが残ってしまった。伸びすぎ注意!
④フードプロセッサーで挽く。
⑤すぐに使わない場合は乾燥させておくといつでも使える。
Point乾燥させる場合は、70度を超えないように!糖化酵素が失活してしまう。
⑥白米2合を水4合で炊きおかゆをつくる。
⑦炊けたおかゆを60度以下まで冷ましてから麦芽を入れ混ぜる。
⑧50~60度で12時間以上保温し糖化させ、甘酒を作る。
⑨晒しで絞り、液体と粕に分ける。
⑩液体を煮詰める。
煮詰めた時間は約1時間。液体800mlが煮詰めて250mlほどになった。
米あめとは
米飴作りは発酵ではなく、酵素による「糖化」である。
発芽した玄麦には糖化酵素のアミラーゼがたくさん出ていて、お米のでんぷんを糖に分解してくれる。
米糀も同じく糖化酵素がたっぷりあるから、お米のでんぷんを糖化しているのだ。
それだけでも甘いのに、それをさらに煮詰めることで、
「飴」となる。
火を入れることでメイラード反応がおきてコクが出る。
出来上がりは少量になってしまうから、あーやっぱりもったいない、
と思ってしまうのだが、
時間の合間をみて、おかゆを作り、
甘酒を作り、絞って煮詰める。
これを数日かけてちまちまやってると、いつの間にかそこそこの量ができている。
さぁ、今日は米あめを作るぞ!と意気込むのではなく、
隙間時間で作ってみてほしい。