兄弟で貯金したお金で中古を買ったお話
今から26年前の1994年・・・僕と兄は人生で震撼させるゲームと出会うこととなる。
ファイナルファンタジーⅥ
当時はドラゴンクエストⅤや聖剣伝説2を夢中にやっていた時代だったが、それらのゲームの概念を覆すようなグラフィックと音楽・戦闘システムで子供達は引き寄せられていった。
しかし、ゲームソフトがかなり高く販売価格は11,400円と子供には到底払うことができない金額だ。
ましてや親がそんな金額をはいどうぞ!と出してくれるはずがない。
そこで僕と兄は少しずつ貯めていたお年玉でどうにか中古でもいいから買うことができないか企んでいた。
ゲームソフトが高い理由
話が少し脱線するが、どうして当時のSFCのゲームソフトが何故こんなにも高いのか?というお話を余談であるがさせていただきたい。
これはドラクエⅦやスターオーシャン3の開発に参加していた自分の知り合いの人に聞いた話なのだが、ゲームソフトの特許はあくまで任天堂なのだ。
任天堂ではない他のメーカーがSFCで新商品を出すためには、大量にゲームソフト本体部分を購入する必要があるのだ。
結果、ゲームソフト分の金額をユーザーからいただかないとPayできないので高かったらしい。
そこでSonyはゲームソフトをCDディスクに変更してPlayStationを販売した為、メーカーはソフト部分のコスパを削ることができたのでSFCに比べて安価で買えるようになったらしい。
その代わり、ゲームディスクがズタズタになってロードできなくなる現象を味わった人もいるけどな。
ファミコンショップで買ったソフトを大事に持って帰る
少し時が経って、FFⅥが中古で5,980円で販売されている情報をファミコンショップのチラシで見つけた。
チャンスはここしかない。
僕と兄は歩いて10分で到着する距離を自転車で立ち漕ぎして向かった。
結果、お店に販売されていたFFⅥを無事勝ち取ることに成功する。
しかし、これだけではまだ安心はできない。「帰るまでが遠足です!」と言っている先生がいたと思う。うん、正しい。
このFFⅥを無事に家まで持ち帰ることが僕達のバーチャスミッション。
やっとのことでドラクエⅢを購入した少年が家の前で高校生にカツアゲされて盗まれたという事件も発生しているくらいだ。用心に越したことはない。
主導権は兄・後ろでただ観ているだけ
なんとか家に到着して早速FFⅥをプレイするのだが、やはりここはどうやっても兄の権力に逆らうことはできない。
僕はひたすら兄のプレイを後ろで観ることになるのだ。
最初にプレイすることができないことに関してはかなり腑に落ちないところだが、そんな考えが全くなくなるほどFFⅥは惹きつけられる作品だった。
OPで少しづつ炭鉱ナルシェに向かうシーン・なんだか切なさが残るティナのテーマ音楽、バトルシーンのグラフィック、街や洞窟の仕上がり。
どこをとっても凄いとしか言いようがなかった。
トレジャーハンターロックに魅了される
このFFⅥは今までのRPGにはない、誰もが主人公のようにフォーカスされている点がとても好きだった。
特に物語序盤でティナがナルシェのガード達に追われるところをロックが助けるシーンは男ながらに憧れた。
初めて会った女性に「安心しろ。俺が必ず守ってやる!」なんて言えない。
いや、言う自身がない。
ひだり みぎ ひだり エーだ
無事エドガーも加入してコルツ山に登った時に、バルガンと愉快な仲間たちと戦うシーンに突入する。
バトル途中でエドガーの双子の弟マッシュが登場してバルガンと戦うのだが、初見ではどうしてもやられてしまう人が多いのではないだろうか。
実際にプレイしている兄も苦戦していた。
マッシュが途中で「ひっさつわざ」の説明をしているのだが、兄がどうやっても「キー入力ミス」になってしまう。
どうやっても攻略できない兄を横目に、コントローラーを奪いひっさつわざを入力したら何故か一発でばくれつけんが炸裂した。
どうやらストリートファイターをプレイしていた兄にとって、技コマンドは素早く入力しないといけない!という固定観念があったことによって入力ミスを連発していたらしい。
このことに関しては兄より自分の方がすぐれていたと感じて少し優越感に浸ることができた。
さよなら忍者・さよならじいちゃん
FFⅥについては話したいことがまだまだたくさんある。
ゾゾの町の時計の時間なんて知らない話とか、バナンがたこあしで終わる話とか、頑張ってガーディアンに立ち向かってた話とか・・・
でもそれよりも話をしたいのはこれ。
さよなら忍者・・・
ムスカ大佐のように3分間だけでも待ってあげれば良かったな。ごめん。
さよならじいちゃん・・・
とりあえずたくさん魚食わせてすまなかったな。当時は食い過ぎで死んだかと思ってたんだ。
やはり僕はロックのようにはなれなかった。
ちゃんちゃん。
noteまとめ『文章遊戯』に参加しています。
サポートよろしくお願いします。丁寧な作品を作り上げていくための活動費として使用いたします。