【午前0時】いちごつみ短歌 1月号(vol.2)
※文芸ユニット【午前0時】のいちごつみ短歌です。紅井りんご(♧)→昼行灯(♣︎)の順で詠みました。
絡まったイヤホンコード丁寧にほどくみたいな愛が欲しくて ♧
丁寧に引き千切ってくマーガレット一片ずつに媚び売りながら ♣
一片の雪わたくしの頬で解け取り戻せないことのいくつか ♧
さようなら取り戻せないこども舌リボン結びが下手な指先 ♣
「指先が黄色いね」って蜜柑食べあなたと笑う並行世界 ♧
背中押す黄色い花が咲く庭で名札を隠す髪の毛を切る ♣
前へならえするときいつも先頭で背中が無くて広くて不安 ♧
バカでかく膨らませた歌詞チャリカゴにいつもの坂を上る昇る ♣
〝ねぇせめて歌詞にしてね〟とメモ残し高円寺から始発で帰る ♧
駄菓子屋のアイスを迷う振りをする せめて大人が始まるまでは ♣
[摘まれた語]丁寧、一片、取り戻せない、指先、黄色い、背中、いつも、歌詞、せめて