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【午前0時】いちごつみ短歌 12月号 (vol.1)
※文芸ユニット【午前0時】のいちごつみ短歌です。昼行灯(♣)→紅井りんご(♧)の順で詠みました。
幸せに慣れたくないな コーヒーとココナツサブレ噛んで飲み込む ♣
コーヒーをはじめて知った日の夜に眠れず描いた桃色の象 ♧
柔らかく生まれたてより食べやすくされた桃缶85円 ♣
「完璧な円はないよ」と言う君の少し歪んだパンケーキ待つ ♧
桜咲き開かずのはずの踏切が開いたらまた完璧ぼっち ♣
あの人に逢える雪の日くちびるに桜色のせ春めいて行く ♧
薄雪の自転車のあと猫が踏みト音記号を足せば賑やか ♣
猫のよに高くて危ういところから君の胸へと落下する夜 ♧
ハチミツで錆ついた様に危うい音 彼呼ぶときのあなたのマ行 ♣
ノーパンでハチミツ舐めて愛される黄色いくまのいる夢の国 ♧
[摘まれた語]コーヒー、桃、円、完璧、桜、雪、猫、危うい、ハチミツ