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プロコーチの現場から

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実際のコーチングの現場で起こっていることを、赤裸々にお伝えします。
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葛藤はあって当たり前

コーチングセッションで、こんなことはありませんか? クライアントは変わりたいと言っている。 しかし、そのための行動をなかなか起こさない。 あるいは、 「コレをやります」と言ったものの、次のセッションでは「やっぱり無理です」と言ったりする。 クライアント本人は何とか変わろうとするものの、同じところをグルグル回っているように見えます。 一体、本当はどうしたいのか?  コーチとして見守りたいけれど、内心はイライラしてしまう。 そんな経験をしたことがあるかもしれません。

内面に向き合わなければならないか?

「クライアントが、なかなか自分自身の内面を見ようとしないんです。 出来事の説明ばかりして、自分の気持ちや感情を外に出そうとしません。 そんな時、赤木さんはどうされていますか?」 メンターコーチングやコーチのための勉強会などでも、よく質問されることの一つです。 私自身がコーチングを始めた頃、同じように悩んでました。 そして今も、内面を見るのが苦手なクライアントと出会うことはあります。 ですが、以前のように悩むことはなくなりました。 なぜなら、私はあることに気付いたから

質問力向上の秘訣は何?

「質問力向上の秘訣は何か?」 こう聞かれたら、あなたは何と答えますか? すぐに思いつく答えの一つは、「質問のレパートリーを増やすこと」です。 質問のレパートリーが多いほうが、いろんなクライアントに対応できる。 そう思うかもしれません。 ですが、そうではないこともあります。 なぜなら、質問のレパートリーを増やそうとすると、質問を覚えることや覚えた質問を、どう使うかということに意識が向きます。 そうすると、ギクシャクしたコーチングセッションになりがちです。 意外で

相手の心理を読み解くのではない

クライアントの状態を「固体・液体・気体」で感じ取る コーチングセッションでは、クライアントの 表情、態度や仕草、声のトーンや大きさ などから、その時の「状態」を感じ取っています。 ですが、仕草や声を見聞きして「心理を読み解く」とか「分析する」というわけではありません。 もっと直感的に「今、どんな感じかな?」と「今の状態」を認識しています。 この「今の状態」を認識する方法ですが、私は大きく3つに分けています。 それが 「固体・液体・気体」 という分類です。 固体・液

答えは相手の中にあるのか?

「答えはクライアントの中にある」 コーチングの哲学とも言えるこの考え方。 よくコーチングを紹介する際に使われるフレーズです。 ですが、本当にそうなのでしょうか? 私自身、この言葉に魅了されてコーチングを学び始めました。 いわば私の「原点」とも言えるこの考え方を疑ってみたのです。 果たして、クライアントの中に答えがあるのか? 長年コーチングに携わる中で、私なりに一つの結論にたどり着きました。 それは「答えはクライアントの中にある」だけではなく、「答えはコーチとクラ

クライアントの思考を整える

「整えること」 冒頭から唐突ですが、コーチの役割は、これに尽きるなと思います。 では、何を整えるのか一言で言うと、クライアントの「思考」です。 つまり、クライアントがどんな「ものの見方や捉え方」をしているのかを知り、必要であれば整えるということです。 とは言っても、コーチがクライアントの思考を無理やり整えることはありません。 例えば、クライアント自身がある感情に支配されていたり、行き詰まっていたりしたとき、どんなものの見方や捉え方をしていたのかにセッションの中でクラ

心身を整えないと人の話は聴けない

「コーチングを行うこと」 これが、コーチの仕事です。 ただ、「コーチングを行う」のが表舞台だとすると、舞台裏でもやるべき仕事が色々とあります。 全ては、表舞台である「コーチングを行うこと」そして、「コーチングを行い続けていくためのこと」に繋がっています。 さて、舞台裏でコーチは何をやっているのか? についてですが。 コーチングのスキルを高めるため、学び続ける クライアントを増やすためのマーケティング活動 そういった活動も、「コーチングを行う」表舞台を支えるための仕

コーチングで意識してきたこと

私がコーチングで意識し続けてきたことを一言で言うと、クライアントの意識の「ベクトル」になります。 ベクトル・・数学で習ったことがあるなぁ・・・と思った方もいるでしょう。 改めて、辞書で調べてみると、「ベクトルとは大きさと向きを持つ量」と書いてありました。 要は、どれぐらい大きな力があるのか、そして、その力がどの方向に向いているのかということです。 ベクトルは矢印でよく表されます。 これを私たち人間に当てはめると、大きさというのは、 物事に取り組むときの熱量、情熱の

セッションで焦ったとき、どうする?

「次はどんな質問をしようか」 「ちゃんと聞けているだろうか」 コーチングを始めた頃、こんな考えが頭に浮かびませんでしたか? 頭の中のさまざまな声に意識を奪われてしまうと、 クライアントに集中できなくなります。 そうすると、焦っている状態にコーチが陥ってしまうのです。 ですが、それはコーチ一人の中だけで済むことではありません。 実はクライアントにも焦りが反映されています。 「コーチが自分に意識を向けてくれていないな」 無意識にそう感じたクライアントは、何とか自分の

今、あなたが抱えている気がかりは何ですか?

この問いは特に、コーチであるあなた自身に問いかける質問になります。 自分自身が何か気がかりを抱えていると、コーチングセッションになかなか集中できないものです。 もちろん人生の中で、家族が急病になったり、身内に不幸があったりすることもあります。 そういう状況だと、いくら集中しようと思っても集中できません。 その場合はセッションをお断りする、事情を話して延期する対応を取った方がいいと思います。 そこまででは無いものの、日常の中でちょっとした気がかりがあるかもしれません。

セルフマネジメントのためのたった一つのコツ

ちょっとしたことでイライラしたりカチンと来たりする・・・そんな時はありませんか? 心身ともに自分の状態が悪いと、行動や発言に出てしまいがちです。 コーチだと、コーチングの質にも影響が出るので、セルフマネジメントスキルが他の人よりも求められます。 自分の状態を整えるための方法やコツは、書籍やインターネットなどを通して、たくさん出回っています。 その中で、私がたった1つだけ選ぶとしたら・・・コレになります。 「感謝」 感謝というのは言い換えると、「ありがたい」ともいえ

クライアントが「わからない」を連発したとき

コーチングセッションで「分かりません」「分からないのです」としか答えないクライアントがいます。 赤木さんなら、どう関わりますか? あるコーチから質問を頂きました。 この状況に直面した経験のあるコーチの方々、またはまだそのような経験がない方も、今後同じようなクライアントに出会う可能性があります。 あなたなら、どう対応するのが良いと思いますか? 私はその問いに対して、考えられる対処は4つあると答えました。 1.クライアントがどういう心境で、「分からない」と言っているのか

クライアントが増えることのデメリットは何ですか?

※以下の音声配信では、今回の内容をコンパクトにまとめています。 コーチとして活動していこうとする際、多くの方がまず考えることではないでしょうか。 「どうやってクライアントを増やすのか」 本業にするなら、なおさらです。 コーチングでクライアントさんが増えることは、一見メリットしかないように思えます。 もちろん収入が上がりますし、コーチングをしたクライアントさんから感謝して頂けることもあるでしょう。 だからこそ、何が何でもコーチングのクライアントを増やさなければと、何

エネルギーを高める、エネルギー漏れを防ぐ

コーチングは、クライアントの目標達成や自己実現のために、コーチとクライアントが協力して取り組んでいきます。 そのときにコーチとして、何に意識を向けているか? 「クライアントのエネルギー状態」です。 エネルギー状態というとピンとこないかもしれません。 要は「今、クライアントさんは元気なのか? それとも疲れているか?」といったことです。 何がクライアントのエネルギーを高めているのか 何がクライアントのエネルギー漏れを引き起こしているのか コーチングセッションのなかで、エ