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質問力向上の秘訣は何?
「質問力向上の秘訣は何か?」
こう聞かれたら、あなたは何と答えますか?
すぐに思いつく答えの一つは、「質問のレパートリーを増やすこと」です。
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質問のレパートリーが多いほうが、いろんなクライアントに対応できる。
そう思うかもしれません。
ですが、そうではないこともあります。
なぜなら、質問のレパートリーを増やそうとすると、質問を覚えることや覚えた質問を、どう使うかということに意識が向きます。
そうすると、ギクシャクしたコーチングセッションになりがちです。
意外ですが、習い始めた頃のほうがコーチングが上手かったというコーチもいます。
それは、知識やスキルが少ないが故に、それらに頼らなかったからだと言ってもいいでしょう。
では本当の意味で、質問力が向上する秘訣は何でしょうか?
結論から言うと、コーチの質問が上手い必要はありません。
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それを聞いて、あなたは納得するでしょうか?
世の中には効果的な質問というものがある。
そういう質問をすれば、誰に対しても、効果的なコーチングができる。
そんな幻想が頭から消えたときに、本当の意味で、質問力が向上する可能性が生まれます。
その上で、質問力向上の秘訣は何でしょうか?
一言で言うと、
「スポンサーシップ」
つまりクライアントを深いレベルで、承認する力を養うことです。
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コーチの承認する力は、クライアントと信頼関係を築くために大切だということは、わかるでしょう。
ですが、質問力向上のために、なぜスポンサーシップが大切なのでしょうか?
クライアントを深く承認しているコーチの質問は、クライアントの頭ではなく、心に届くのです。
なぜなら、自分のことを深いレベルで認めてくれている、そう感じるクライアントは、自分自身を守る必要がありません。
なので、コーチの質問を深く受け取り、建前ではなく、本当に思っていることを答えようとします。
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その時、クライアントはコーチからの質問を深く探求し、普段の意識では思いつかないような答えが出てくるのです。
繰り返しになりますが、どんなクライアントにも当てはまる効果的な質問というのはありません。
そうではなく、クライアントがコーチの質問を深く探求しようと思えたときに、その質問が結果として、効果的な質問になるでしょう。
コーチがクライアントを深いレベルで認める。
ぜひ、このことを意識してみてください。