畳の縁は踏みません|茶道で知る暮らしの知恵
茶道で初めて知ることが、実はかつての日本の暮らしの知恵、生活の常識ということがあります。
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畳の縁。
縁(ふち)と書いてヘリと読みます。
畳の長手方向についている布のことです。
先日、友人が遊びに来てくれた時に
「和室があるんだね~」
と言われ、言われたことに少し驚いたのですが、確かにマンションに和室は減っていますね。
(私の趣味のひとつは、suumoや旅先で物件情報をみることです。新築マンションで畳の部屋がない物件は増えていますね。)
和室、いいですよ~。
すぐに横になれるし、ちょっとしたストレッチぐらいならマットを敷かずにできますし。
つまり横着できますよ、と。
洗濯物を畳むのも和室がしっくりくるんだよな。
さて、自宅に畳の部屋がなければ、畳の縁(へり)を踏むなという躾を受けることもなくなりますね。
なぜ、畳の縁を踏んではいけないのか?
いろんな理由があるようですよ。
畳の縁に家紋が入っているから
かつて、武家や商家では畳の縁に家紋を入れていたそうです。
家紋の入った縁、紋縁を踏むことは、ご先祖様に対する不敬であるということで踏んではいけませんよ、と。
畳の縁に家紋を入れていたんですね~。
畳の表替えしたときに、縁を選びましたが、デザインに終始して選んでしまいました。
家紋をいれることはしなくても、もう少し模様の意味など意識して選べばよかったかな。
また、家紋ではなく動植物の図案が入っているものも多かったそうで、それらを踏んだらかわいそうということもあったようです。なんとも心優しい。
トップ画像の縁は、くまもんです。踏んだらかわいそう。これなら自然と踏むのを避けられそう。
畳の縁の耐久性が低かったから
なるほど、合理的な理由です。
かつての縁は植物染で色落ちしやすく、また素材が弱く踏むと次第に擦り切れてしまったそうです。
畳を長く使うために、弱い部分である縁を踏まないようにしていたんですね。
いまの一般的なお宅の畳は、縁に紋も入らず、縁の耐久性もあがっているので、どちらの理由もいまに通じるものではなくなってしまいましたが、「畳の縁を踏まない」という教えは、・・・残っていくのかな・・・?
「暮らしの知恵」とタイトルに入れましたが、今に生きる暮らしの知恵では、ないのかな。
私も、茶道スイッチの入っているお稽古では、畳の縁を踏まないようにしていますが、自宅では、気にしたことないですね~。
同じく踏んではいけないという敷居は踏まないようにしていますが。
(ストレッチしたくてあえて踏むこともあるけど…)
こういうものがどうなっていくのか、また、どうなっていって欲しいのか、私の中にまだ答えはありません。
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