こんな時は、空を見上げて。
私、海の近くに住んでいます。
目の前は川で、ちょうど海と繋がる河口あたり。
自宅前には公園があって、窓から色んな景色を
見ています。マンションのわりと高い階なので、
いろんな物が良く見えます。
保育園の子供達がお散歩に来ていた時は、
可愛らしい声と、あっち行ったりこっち行ったり
する小さな影が可愛らしくて、小さい子供の声が
うるさいとクレームをつける方がようわからんなぁ
と思ったり、公園で一人ランチをしていたサラリーマンの方が、いきなりトンビにランチを奪われ
「ヴァアァアー!!」と叫んでいるのを見て、
時にはビックリする景色を眺めています。
トンビの食べ物強奪事件は結構怖いです。
私も経験した事がありますが、奴らは音もなく急降下し人の食べ物を奪います。引越したばかりの頃、呑気に友人とこの公園でランチしていた時にやられました。何の前触れもなく「バサバサバササ!!」と凄い音がして、私の玉子サンドが鋭い爪に掴まれ宙に舞いました。一瞬、何が起こったかわからない、でも爪に掴まれ空高く飛んで行く玉子サンドと強奪犯の姿を見て、何が起きたか理解しました。
大好きな玉子サンドが。。。本当に一瞬の出来事で驚くというより怖かったです。
トンビは羽を広げると1.5mは余裕で越える大きな鳥で悠然と飛ぶ姿もカッコイイ鳥さんだと思います。ですが、クチバシや爪はもの凄く鋭いので、強奪事件に合ったら大怪我をする可能性があります。海辺で何か食べる時は、トンビに注意して下さいね。
窓から見える、自然と人
窓からは、世の中で起きている事が良く見えます。
東日本大震災が起きた時、目の前の川が逆流して
いるのが見えました。生まれて初めて見る光景で、
河口という事もあり、東京湾から来た津波でした。
東京湾の神奈川県エリアなので、ほんとに僅かな
津波でしたが、川が逆流している様子はとても怖く数百キロ離れた東北地方では、これが数百倍の威力で沢山の物を破壊し人の命を奪ったと考えると、被害に逢われた方々は、どんなに辛く怖い思いをしたのだろうと胸が痛みました。
台風の後は、高速道路が封鎖されたらしく、窓から見える一般道が大渋滞して車が全く動かないのが見えました。いつもは数台しか走っていない道なのに。自然がいかに人の暮らしに影響を与えるか、思い知らされる景色でした。
コロナが流行し始め、第一回緊急事態宣言が出て自宅待機となった時、いつもの公園に人の姿がなく可愛らしい子供達の声も、トンビ被害で叫ぶお兄さんの声も聞こえず、怖ろしさと悲しさに暮れ不安一杯で外を眺めていました。
こんな時は、空を見上げて
そんなコロナ禍で友人と話していた時、友人がお子さんの入学式で校長先生がした話を教えてくれました。状況的にオンライン入学式となり、校長先生は入学式に胸膨らませた子供達をいたわりながら「折角の入学式、皆さんに直接会えないのは本当に残念です、皆さんも同じ気持ちでしょう。怖くて辛い日々だと思いますが、こんな時は空を見上げてください」と仰せだったそうです。
その話を聞いた後、私はすぐに窓から空を見上げました。真っ青な青空が、不安や恐怖を一瞬忘れさせてくれました。自然が人に与えてくれる癒しを感じた瞬間でした。それ以来、悩んだ時は窓から空を見上げています。
宣伝会議 編集ライター46期お題
「部屋の窓から見えるもの」