小説との出会いもタイミング(2023年上半期読書log)
私は、もっぱらの小説好き。
実用書は全然読み進まないのに、小説は一度物語の世界に入り込むと、一気に読み進めちゃう。そうなると、もう止められない。
noteを始めてから、本を読んだら「感想文」まで投稿したいと思っていた。でも、結局、チャレンジできていなかったので、今回は、メモを見返しながら、ひとまず2023年上半期読んだ本をざっくり記録してみようかと。
下半期はぼちぼち「読書感想文noteも更新したい!」という所信表明を込めて書いてみます!
まず、私が手に取る本の傾向
・好きな作家さん
・図書館で心惹かれた本
・本屋さんで心惹かれた本
(帯やポップの影響が大きい、
あとはシンプルに話題の本)
・誰かのおすすめ
(特に実用書や自己啓発系は弟の薦めで手にすることが多い)
ざっくり、以上のような出会いが多い。
最近は、エッセイを読むことも多い。noteを始めてから特に、日常の些細なことも、こんな面白く書けるなんて凄いな〜と出来事を見る視点、切り口、文章力に「あっぱれ!」と「拍手」を送りたくなる。(あなた何様ですかって感じですね、すみません笑)
ここからが、本題
1〜6月末までの上半期で読了した本は
合計18冊(1ヶ月3冊ペース)
その中で、小説は11冊。
今回は、読んだ小説の紹介&ひと言感想を書き連ねます。もともとメモ魔なので、読んだ後にちょこちょこメモしていた感想を見返しながら書きました。その結果、思った以上に熱く、長くなった感想も(笑)「こんな個人的な感想、誰も必要としないよね〜」と、もう一人の自分が囁いているのですが、上半期の振り返りも兼ねて、自己満で書きます。
興味があればお読みいただけたら嬉しいです♡
計11冊の読書記録スタート!!
1.「月立つ林で」青山美智子
2023年の読み初めの1冊。
「お探しものは図書館まで」を読んで以来大好きな青山さん。目に見える範囲だけでなく、もっと大きな循環として、人と人は繋がっていて、助け・助けられている。自分も巡り巡って誰かを助けることができていればいいな、なんてことを感じる。青山さんの小説を読むと、世界のとらえ方が「優しく」なるというか「優しさの連鎖」が感じられるから好き。人との縁やあらゆる物事の縁を大切にして生きていきたいって思える、私の中での大切な1冊になった。
もともと月の満ち欠けとか、新月・満月とか好きだったけど、この本を読んで、さらに豊かな気持ちで月を眺められそうって思った。
青山さんが何処かのインタビューで、「人はシナリオを作りがち。勝手に物事は起きていて、なるようにしかならない。やるだけやって、あとは神様よろしく!と委ねる勇気も大切」みたいな話をされていた。予定が狂ったら「宇宙スケジュール」と思うようにしているとのこと。
その考え方に、心がすっと軽くなった。目の前のの出来事に一喜一憂せず、大らかに構えていける気がした。これを読んでからの私は、うまくいかないことや不安があっても「宇宙スケジュール」と、ひとまず言い聞かせてみることにしている。(最近忘れていたので、思い出せてよかった)
2.「カレーライス 教室で出会った重松清」
教科書にも掲載されていた作品を含む短編集。
「学校」で味わう、うれしさ・悲しさ・悔しさ・切なさ・やりきれなさ・楽しさをこんなにみずみずしく描けるのってすごいなぁって思いながら読んだ。
自分の小中高の学生時代に思いを馳せると、正直、「学校」ってあまり好きではなかった。そんな子どもの頃の自分が、久々に顔を出した。でも不思議なことに、今も「学校」に通い続けている。立場は変わったけど、子どもの頃の自分を抱えながら、当時の自分のように複雑な気持ちに揺れる子ども達にも気づける、受け止められる、でっかい器のある先生になれたらいいな、心の機微に寄り添いながら、学校が少しでも楽しいと思える瞬間、場をつくれたらいいな、と思った。
読み終わってみて、
いろんな人がいるし、いろんな先生がいる。だから、楽しいし、苦しいし、おもしろいのが学校でしょ!と、そんなことを子どもの頃の自分に語り掛けたくなったのでした。
3.「汝、星の如く」凪良ゆう
本屋大賞受賞前に読んだ。
表紙の美しさもさることながら、とにかく2人の愛の関係が切なく美しい。行く末が気になり一気に読んだ。心がギューッと締め付けられた。
ちなみに、私は「流浪の月」の方が好き。
4.「ラブカは静かに弓を持つ」安壇美緒
主人公の心の機微が丁寧に描かれていて、
後半ハラハラドキドキしながら一気に読んだ。
「スパイ」をしながらできた素敵なコミュニティの中で、トラウマを抱えた繊細な主人公がだんだんと心を開いていく。楽器を習ったり、発表会のステージに立ったり、そういう感覚が懐かしくなった。やっぱり、音楽小説、好きだなぁ。
読んでいた時、主人公の橘さんが、どうしても元彼と重なってしまって。おすすめ!と連絡してしまった。(笑)今考えるとどうかしていた自分(笑)2月の私は、きっとまだ元彼に未練があったんだろう。
5.「強運の持ち主」瀬尾まいこ
このころ、謎に占い師になりたい気持ちがあって。(半分冗談、半分本気)
瀬尾さんの書く物語って本当に穏やか~って思うのは私だけかな。なんか水のようにスーッと入ってくる感じ。
読み終わって、私もいろんなものに頼りながら(その中の一つが占い)、自分の感覚を信じて生きていこうという気持ちになった。
ちなみに、占い師になりたい願望は、今のところほぼ消えました(笑)
6.「おいしいごはんが食べられますように」高瀬隼子
終始、笑っちゃうくらい不穏!
食の価値観が合うって大事。自分は美味しいものを食べるの大好きだから、食べ物が描かれている小説大好きなんだけど、この作品は普段読んでいるものと真反対で衝撃。表紙が可愛いのもトラップ。面白くて一気読みした。
7.「彼方の友へ」伊吹有喜
とてもとても良かった。健気な主人公に、私も明日からの仕事を頑張るパワーをもらった。出てくる登場人物が、みんな素敵な人たち。読みながら何度も何度も胸が熱くなって、ラストは号泣しながら読んだ。
いろんな人の情熱が集まって完成するモノ、商品(本書では「雑誌」)の存在を尊く思った。戦争中の苦しさもしっかり伝わってきて、言論が統制されていく感じ辛かった…と同時に今の時代のありがたさを感じられた。
読み終わって、文章を書く仕事がしたい、仕事頑張ろうって強く思った。うまく言えないんだけど、私がnoteを始める最後の後押しは、この小説を読んだことだったのかも。振り返ってみたら、noteを始める前日にこの小説を読み終えていた。
8.「雲を紡ぐ」伊吹有喜
私はこういう話に弱い。家族の再生、伝統工藝の継承、主人公の成長を軸に、それぞれの想いがあって、すれ違いもあるけど、みんなちゃんと愛があって、再生・再編されていく。伊吹有喜さんの作品は、「彼方の友へ」と「雲を紡ぐ」の2冊しか読んでないけど、物語に出てくるモチーフへの綿密な取材が凄いんだと思った。
「雲を紡ぐ」を携えて、岩手県を訪れたい、ホームスパンについてもっと知りたい、宮沢賢治作品に触れたいって思った。自分がじいちゃんばあちゃんっ子なのもあり、そこもすごいリンクしちゃって、最後の方は、嗚咽級の大号泣で読んだ。デトックス。
じいちゃんが、主人公に掛ける言葉が心に染みわたる。
思春期真っただ中の頃の自分が、
この本を読んでいたら、じいちゃんの言葉に
相当、救われていただろうな~。
悩み多き中高生にお勧めしたい一冊。
もちろん今の自分にとっても、とても大切な出会いの一冊。
読む時々で、登場人物の誰に感情移入するかが変わりそう。
9.「<あの絵>の前で」原田マハ
大好きな原田マハさんの美術小説集。
それぞれの主人公と絵画との「出会い」や
エピソードが描かれている短編集。
訪れたい美術館、いつかこの目で見たいと思う美術作品が増えて、また一つ人生が豊かになった気がした。物語の力、アートの力って凄い。
そして自分の思い入れのある<絵>にも、思いを馳せた。私にとって、美術館が好きになったきっかけは、オランダで見た「フェルメール」。そこが始まり。またいつか、わたしにとっての<あの絵>、のまえに立ちたい。
10.「会社を綴る人」朱野帰子
図書館でたまたま手にとった一冊。
「会社を綴る人」というタイトルに惹かれた。こういうお仕事小説好き。登場人物、みんな好き。主人公の真っ直ぐなところが良い。自分のできることを一生懸命やる姿勢って、周りのことも確実に動かす。
構成も面白かった。「社史」なんて、これまで全く関心を持った試しないけど、背景が想像できるとこんなに感情移入できちゃうんだな、って思いながら最後まで読んだ。一般企業勤めをしたことないからこそ、全く違うフィールドのお仕事小説を読むと、社会科見学の気持ちになる。ドラマで観ていた原作の「わたし、定時で帰ります。」も、今更ながら読んでみたい。
11.「婚活中毒」秋吉理香子
こちらも図書館でたまたま手に取った一冊。
だって、このタイトル(笑)「今の私が読まなくて、いつ読むの」と思って(笑)婚活にまつわる短編小説集で、それぞれ「そういうこと~!?」っていうオチがあって、さくさく読めていつの間にか読み終わっていた。
「婚活」って一括りにしても、色々な切り口があって面白い。
「2023年上半期読書log」を書いてみて
思い返して記録してみると、何か月か前の(読んでいた頃の)自分と出会い直したみたいな気分に。読んだ順に記録したので、最後の2・3冊は記憶が新しい。逆に3月くらいまでに読んだ本は、忘れていることが多くて、内容を思い出してまたジーンと心に響くものがあった。そして、私、涙腺緩すぎない?と振り返ると思う。読みながら泣いた本たくさんあった。
本屋さんや図書館に行くと、読んでみたい本や気になる本は、山のよ~~うにあって。しかも毎日?のように新刊がリリースされているとなったら、「一生かけてもすべての作品は読めないんだよな~」って、わくわくと諦めの気持ちが交互にやってくる。だからこそ、本も、手に取った時こそが今の自分にとっての「タイミング!」と思って読むことにしている。
「積読」も常時あって、今回の重松清の文庫本は、もう何年も前に買っていたのだけれど、最後まで読んだのはこのタイミングになってしまった。でも、読み終えてみると、今だからこそ感じられることがあって、良かったな~とも思う。だから、人との出会いだけでなく、本との出会いも「良きタイミング」があるんだろうな。(そういって積読を「正当化」している自分もいるけれど(笑))
とても長~くなりました。
ずっと「読書記録」書いてみたい書いてみたいと思いつつ、月並みな感想しか書けないし、、、と腰が重かったのですが、さすがに11冊も一気に記録してみると、自分の感じたことを正直に残しておくのもいいかな、と半ば吹っ切れた気持ちになりました(笑)
上半期読書log (エッセイと児童書、実用書の記録)も、後日、気が向いたら書きたいと思います。読書の趣味が合う方がいたら、好きな作家さんや、おすすめの一冊など、ぜひ教えていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
下半期も、素敵な小説と
たくさん出会えますように。
おしまい。