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「産後の養生」って、具体的に何をしたらいいの?3つのポイント

「産後のからだは大切に」と言われるけれど、産後に自分の体や心のケアを後回しにしてしまう人は多いです。
昨日は、「産後の養生が必要な3つの理由」について書きました。
そこで、「産後のからだを大切にする理由」はわかったけれど、「いったい、どうしたら”からだを大切にする”ということなんだろう」という疑問が出てきます。
今日は、産後の養生とは具体的に何をしたら良いのか?を、3つのポイントに絞ってお伝えします。


1.「養生」の3つの基本

「養生」の3つの基本

「養生(ようじょう)」という言葉は、もともと漢方で重要とされる考え方です。

漢方で重要とされているのが、生命力、自然治癒力を高めるという「養生」の考え方です。「養生」とは文字通り「生命を養う」ことで、心の健康に向かって生命力を養い高めていくことです。
 真の健康とは、単に「病気ではない」というだけでなく、心も体も快適に毎日を生きるということです。

薬膳・漢方検定公式テキスト 薬日本堂監修 実業之日本社

「生命力を養う」ためには、①食事②休息(睡眠)③運動(活動)を自然のバランスに整えることが基本となります。

2.養生の基本①「食事」

養生の基本①「食事」

妊娠・出産に伴い、女性の体はダイナミックに変化をします。
出産時の出血による貧血や傷の修復、授乳などによって、沢山の水分や栄養分が必要です。
妊娠前に忙しく仕事をしていた人ほど、食事によるエネルギーや栄養素の摂取が少ないというデータがあります。
慣れない育児に、頻回な授乳のため、「自分の食事をつくる暇もない」状況だと、すぐに手軽に食べられる菓子パンや加工食品に頼りがちです。これらは、カロリーが高く一時的にお腹は満たされますが、タンパク質やビタミンなどの大切な栄養素が少なく「エンプティーカロリー」と呼ばれています。

・家族や産後ヘルパーさんに作り置きをしてもらう
・お惣菜や半調理品を活用する
・すぐに食べられる食材(バナナなどの果物、茹でるだけの野菜やお肉、缶詰、など)を利用する
ことで、気軽に栄養素を足すことができます。

赤ちゃんを抱っこしながらでも、気軽に食べられるものの中では、サンドイッチやおにぎりがオススメです。
もしも可能であれば、インスタントでも良いので汁物があると、体が温まって血行も良くなります。

3.養生の基本②「休息(睡眠)」

養生の基本②睡眠

生まれたばかりの赤ちゃんは、夜型です。赤ちゃんは比較的、日中によく眠り、夜間に泣いておっぱいを欲しがることが多いです。それに合わせて、ママのおっぱいも、夜にたくさん分泌される仕組みになっています。
赤ちゃんは生後3ヶ月くらいになると、段々と昼夜の区別がつくようになります。それまでは、産後はお布団をしきっぱなしにして、昼も夜も関係なく、「赤ちゃんが寝ているときには自分も眠る」ようにしてみましょう。

また、短時間の小間切れ睡眠でも、効果的に良い睡眠をとる工夫をすると良いでしょう。
・夜はなるべくスマホやタブレットなどのブルーライトを見ない
・午前中のうちに、短時間の日光浴をする
・午後にはカフェインの入った飲料を控える
などです。

4.養生の基本③「運動(活動)」

養生の基本③「活動」

産後は、「積極的に運動をする」というよりも、「日々の日常動作を整える」という意識が大切です。「お腹がへこまないから」と、腹筋運動をしたり、ガードルで締め付けることは避けましょう。妊娠・出産でがんばってくれた筋肉や靱帯をいたわって、少しずつ体を動かしていきます。

無理をすると、「悪露(おろ)」と呼ばれる、子宮からの出血が増えることがあります。出血が増えたときには「無理をしているから、休んでね」の体からのサインだと思って下さい。

「自分が家事をしなきゃ、と思うと、寝ていられません」という人もいますが、産後21日間は赤ちゃんのお世話以外、できる限り横になってすごせるように、産前からサポート体制を整えておくことをお勧めします。

里帰りをしない場合でも、
・家族が家事をできるように練習をしておく
・産後ヘルパー制度を活用する
・産後ケアを利用する
など、いろいろな方法があります。

赤ちゃんの子育ては、一人ではとても出来ません。
ぜひ産後は「ゆだね上手」になりましょう。

5.産後だけでなく、一生使える「生きるちから」

出産の後は、待ったなしに赤ちゃんとの生活が始まります。
産前から「こんな生活をしたい」「こんな状況になりそうだ」と産後の暮らしをイメージして、「その暮らしを実現するためには、どんなことが必要だろうか」を考えて準備できたら、より快適に産後を迎えることができます。

今回紹介した3つのポイントは、産後だけではなく、どの年代においても大切な「生きるちから」です。
子どもを育てる時にも①食事(授乳)②休息(睡眠)③運動(遊び)を大切にすると、心と体の健康を守ることができます。

出産は、自分の心と体の健康を守る生活を始める、絶好のチャンスです。

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