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お泊まり保育と、親の涙。

「『ちょっとヘンだな』『困ったな』
と思ったときは、先生に伝えることが大切です」
麦わら帽子をかぶった園長先生が、
子ども達に丁寧に説明している。

まだ朝の8時だというのに、
園庭にはジリジリとお日様の光が
子ども達と保護者達を突き差している。

嬉々として幼稚園バスに乗り込む、子ども達。
園沿いの歩道には、年長の保護者が
列をなしていて、
バスが見えなくなるまで、
みんなで手を振って見送った。

「見送る方は、何だか
ちょっと寂しいですね」
隣にいたママさんに、話しかけた。

ふとお顔を覗くと、
うるうると涙が。

目尻を手で拭いながら、
そのママさんは
「寂しくて、つい」と
ポツリと呟いた。

子どもと母親は、十月十日、
お腹の中で繋がっていた。
その時のへその緒の長さは、
大体50cmくらいだ。

よく、眠った赤ちゃんを布団に降ろすと
とたんに泣き出してしまうことを
「背中スイッチ」なんて表現するけれど。

赤ちゃんもお母さんも、
50cmより離れてしまったら
お互いに離れまい、と「スイッチ」が
onになるものかもしれない。

子どもが大人になるまでに、
何度、親子の繋がりを感じながらも、
「離れる」経験をしていくものだろうか。

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助産師hana【子育てを、安心であたためる】

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