意思を消す
私が尊敬する合気道家の一人に砂泊諴秀先生という方がいます。
この方は植芝盛平先生の内弟子で、9段を与えられた凄い方です。
添付の動画の通り、少し人間離れした動きをしていますよね(笑)
砂泊先生は特に先の使い方が非常にお上手だったんだなと、動画を見る限り感じます。
ここで言う先とは、相手の動きに先んじて動くことであり、相手が来るであろう場所に先に手を出したり、武器などを使って制することです。
この先を使われると、相手は自分が行こうとした場所に急に障害物が現れるので意表を突かれるわけです。
同じ動画の中で多人数掛けをしてるシーンがありますが、正にこの先が遺憾なく発揮されています。
多人数掛けのシーン
今回のタイトルである、意思を消すとは後半の組太刀のシーンです。
砂泊先生の剣の動きに注視していただきたいのですが、まるで剣が生き物のように動いていませんか?
組太刀のシーン
この時、砂泊先生は木剣を、あー動かそう、こー動かそう等、一切考えていません。
自分自身の意思で動かそうと思ったら、
こんな滑からかつ、速い動きはできません。
自分自身は一切の意思を持たず、
木剣に意思を委ねているような感じです。
以前、このような記事を書きましたが、
力を抜けば抜くほど、木剣は軽くなり、かつ勝手に動きます。
武器術に限った話ではありませんが、
合気道においては作為的に意思を持たないことが非常に重要です。
翁先生が良く仰っていた、宇宙と一体になるとは正にこのことだと思います。
あーしてやろう、こーしてやろう、という意思が1ミリでも入れば
力みが生じて相手と衝突してしまいます。
ですから、この砂泊先生の動画のように
作為的な意思を持たず自然に身をゆだねるということが重要なんですね。
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