2021年12月の記事一覧
『光』(2017)公開時、井浦新を知らないひとのための、映画俳優、井浦新の紹介文。
11月25日より公開となる映画『光』に出演し、12月には『二十六夜待ち』、来年には『ニワトリ☆スター』『赤い雪 RED SNOW』『菊とギロチン』など、続々と出演作の公開が控えている俳優、井浦新。今、映画界から引っ張りだこな彼の足跡を振り返ってみたい。
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井浦新は、俳優である以前にファッションモデルであり、ファッションデザイナーでもある。183センチの長身、涼し気なルックス。ARATAとい
結晶、グルーヴ、ビーム、夕焼け、そして堂本剛。
人気漫画の実写化はかつてもいまも日本映画の定番メニューだが、配役発表の時点で、ここまで原作ファンの熱い支持を得た作品も近年なかったのではないか。小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、岡田将生……以下、略。完コピが正義ではないし、漫画世界への追従が映画のあるべき姿ではないと個人的には考える。だが、なぜ、漫画のキャラクターを生身の俳優が演じるのか? そもそもの命題に向き合うとき、そこにはある種の潔さが
もっとみる才能と人格は共存させなくてもいいんじゃないか。映画『スティーブ・ジョブズ』を観て
おおくのひとがジョブズに惹かれるのはなぜだろう
それはわたしたちのだれもがジョブズ的な要素をかかえながら
けれどもジョブズのようには生きられないからではないだろうか
そしてそれは
ジョブズには才能があって
わたしたちにはない
などという単純なはなしではない
ジョブズは特別で
わたしたちは特別ではない
なんていうヒエラルキーでもない
ジョブズは頑固者の美学に依存することなく
その都度その都度拒絶し
映画『だいじょうぶ3組』。乙武さんの「密室」。
だいじょうぶ3組。たぶんまともな批評は出ない気がする。乙武さんが好きなひとをあまりよろこばそうとはしていないけど、たぶん乙武さんに偏見を抱いているひとはさらにその偏見を倍加しそうな気もする。ぼくはもともと乙武さんに対して無関心なのでとてもフラットにみることができて、連投のつづく廣木隆一監督に対しても過剰な思い入れはぬきに接することができて、状態のいい映画だなあと思いました。この良さはなかなかうまく
もっとみる四日後に書いた森田芳光追悼文。
その著書のタイトルに倣って表現するならば、彼の作家としてのありようは、映画というメディアを相手に優雅にスタイリッシュに戯れる「東京監督」ーーあるいは、『それから』からの一語をかりて「高等遊民」と呼ぶことも可能かもしれない。このたびの急逝に際して、多くのひとびとが真っ先に『家族ゲーム』の衝撃と深遠を口にする背景には、そうしたパブリックイメージが横たわっているからに違いない。
けれども。
彼