先生!「評価」むずっ。じゃないですか? [その 2/2 主体的・・・態度って、あぁはぁ。]
学習評価において"主体的" とは 、前向きで意欲に溢れた積極的な姿勢のこと
ではありません。授業中たくさん挙手している、発言の回数が多い、提出物がきちんとだせている、これらは「評価」されないと?え?
前記事(その1/2)で書いた内容を少し補うのが本件の目的のひとつです。
"むり感"が最も高まり、いまだに齟齬が解消されない、現場をカオスに導いてくださっている「主体的に学習に取り組む態度」については深めに。
※以下の内容はくみちょー界隈での現実であり、全国の学校現場を代表したような類のものではありません。あくまで一例です。きっと。
※大学教授をはじめ、研究に従事していらっしゃる方で、明らかにおかしいという点にお気づきの際は、ぜひご教授ください。
3観点の評価について整理
中央教育審議会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」 平成31年1月 や、国立教育政策研究所『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料』令和3年8月を整理すると、以下のようになりますかね。
「知識・技能」の評価について考えられる工夫
授業において:それぞれの教科等の特質に応じ、観察・実験したり、式やグラフで表現したりするなど学習した知識や技能を用いる場面を設け評価
ペーパーテストにおいて、事実的な知識の習得を問う問題と知識の概念的な理解を問う問題とのバランスに配慮して出題し評価
「思考・判断・表現」の評価について考えられる工夫
ペーパーテストにおいて、出題の仕方をくふうして評価
論述やレポートを課して評価
発表やグループでの話合いなどの場面で評価
作品の制作などにおいて多様な表現活動を設け、ポートフォリオなどを活用して評価
だめですよ。分かってますよ。あえてです。そんなはず絶対にないけれど、必死に絞り出して言うとすれば、”今まで通りでおっけ”ですねっ。
ちなみに、ペーパーテスト以外の部分について「あいだのいちまい」にすべて表出させることが可能です!
「あいだのいちまい」なら
といったように、先生方の工夫・活用次第でその可能性は無限大に広がっています。
「主体的に学習に取り組む態度」の評価について
さて、本丸?です。結論を申し上げておくと「完璧!」です(笑)。よく見る (見せられる) 図が以下です。確認のため。
冒頭部の繰り返しになりますが、大前提としてここで評価する
"主体" とは 、前向きで意欲に溢れた積極的な姿勢のことではありません。
左図の通り、感性や思いやりなどのことでもありません。が、「態度」という言葉のイメージに引っ張られて、いっそう、はぁ???が本音ですよね。私たち・・・。
じゃあなんなんだということなのですが、この「態度」というのを理科で例えると(これしか思いつかなかったので)科学的な態度です。実験の結果、予想と全く違う数字が出た。あれ?そもそもこの実験のやり方は正しいのだろうかと疑ってみる「態度」。誤差が出ないように丁寧に実験をやり直してみようという「態度」。といった毛色のものです。
そして、観点別学習状況の評価においては右図の通りで、「主体的に学習に取り組む態度」については
その単元/題材における、「知識・技能」を身に付けたり、「思考・判断・表現」しようと粘り強く取り組んでいるか
そしてそのために自らの学習を調整しようとしているか
を評価しよう。となっています。
単元/題材でつけさせたい”知技” ”思判表”が明確でないと”主態”は見取れないってことですねこれ。あわせて、調整しようとしているのに粘り強いわけではない、粘り強くやっているのに調整しようとしていない。なんてことはあり得ないはずよね。が右図の意図です。とすると、
「主体的に学習に取り組む態度」の観点別学習状況の評価ABCは、その単元の終盤じゃないとむり
どのように学ぶか=プロセスが大事で、これが見えれば評価に繋がる
やっぱり、授業デザインを行い目標 ( 評価規準 ) 決めておかないと、評価のしようがない
ふぅ、なんとなくご理解・イメージいただけるかと思います。
ただ単に振り返りシート書かせて、それを評価。だと、なんだか物足りなさというか、これでよいのかしら感、コレジャナイ感があるのは、このプロセス部分の見取りができていないことを、先生方ご自身が肌感覚として感じていらっしゃるからだと思われます。違いますか?そうですよねきっと!
最後に
「あいだのいちまい」には、自らの学習状況を振り返って把握し、学習の進め方などについて試行錯誤する(微調整を繰り返す)プロセスが可視化されているため、この「主体的に学習に取り組む態度」も見える・見取れます!その評価をつけたこと自体のエビデンスにもなります。最高です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
長くなってしまいましたし、んなこたーわかってるよな部分も多かったかと思います。ですが、これが浸透していないのが現場の実情です。よね。
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