最近話題になったあるツイート。
このツイートを入り口に、女性活躍の構造的な難しさについて、マルクス主義フェミニズムの視点からお話ししたいと思います。
バズっていたツイート
まず、7月4日に投稿されたツイートをご紹介します。
このツイートは多くの共感を呼び、7月8日時点で10万の「いいね」が付いていました。
私自身もこの意見に深く共感します。
現在の日本の労働制度は、家庭でケアやサポートをしてくれる人がいることを前提として成り立っています。この前提の社会構造や組織構造のまま、男女平等や多様性を推進しようとしても、うまくいかないのは当然です。
マルクス主義フェミニズムの視点
このツイートを見て思い出したのが、マルクス主義フェミニズム。
女性活躍の文脈に限らず「現代の働き方のモヤモヤ」を構造的に理解するうえで、このマルクス主義フェミニズムが明らかにしてきた視点、そしてフェミニズムが議論してきたこと、は無視できないと考えています。
日本におけるマルクス主義フェミニズムの代表的な存在は、社会学者の上野千鶴子さんですね。
上野千鶴子さんの著書『家父長制と資本制』は、マルクス主義フェミニズムを理解するための重要な一冊です。
と、言いつつ、上野千鶴子さんの『家父長制と資本制』については、正直なところ、私自身はまだ書籍の1/3しか読めていません(難しすぎるんですよね…精進せねば…)。
書籍の紹介については、岩波文庫のサイトに載っていた「編集部からのメッセージ」が分かりやすかったので引用させていただきます。
市場と家族の関係
その『家父長制と資本制』の中で特に興味深く、そして今回紹介したいのが、「市場」と「家族」の関係性についての議論です。
ポイントは
・「市場」は閉鎖系ではなく、「自然」という外部環境から、資源やエネルギーをインプットして、産業廃棄物をアウトプットしている
・同じように、「市場」は「家族」という外部環境から労働力をインプットしていて、労働市場の枠組みに収まらない存在(老人/病人/障がい者)をアウトプットしている
・その「家族」という環境を担ってきた(担わされてきた)のが女性
現代社会の課題
高度経済成長期からの名残でしょうか、日本の労働は今でも、冒頭で紹介したツイートにあるように『家にサポートしてくれる人がいる』ことを前提とした構造となっています。
自然環境が限界を迎えているように。
人口が減少し、多様性が求められるなか、市場の外部にある『家族』という存在に目を向けず、労働力をインプットし続けることはもはや限界なのです。
女性だけでなく男性も、そして社会自体も、このシステムでは無理が生じている。この事実を認識する必要があります。
新しいビジネスと社会運動
最後に。現代は、社会が大きく変化し、これまでのシステムがうまく機能しなくなってきている時代です。そういった時代のなかで、社会を変革していくビジネスが多く生まれています。
そこに切り込んでいっているのが、山口周さんの書籍『クリティカル・ビジネス・パラダイム』
気が付いたら私も、このパラダイムの上にいました。
今回はマルクス主義フェミニズムを引用させてもらいましたが、引き続き様々な視点から、社会や組織構造の研究をし、これからの時代に必要とされる事業を創っていきたいと思います。では。