分析は監査人とのコミュニケーションツール
こんにちは!
本日も分析ラボ通信の開封ありがとうございます。
今回は、分析を監査の視点で捉えた内容をお届けします。
毎回監査の時にたくさん監査人から質問をされるという場合には、今日の内容が大きなヒントになると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
では、早速内容に入りましょう。
相手を理解して、相手に合わせるのがコミュニケーションの基本
誰かとコミュニケーションを取る時、そしてコミュニケーションを良好な状態にしたい時、こちらからできる基本は、「相手を理解して、相手に合わせる」ことになります。上場企業の場合には、四半期決算ごとに監査人による監査(レビュー)を受けますが、監査を効率的に進め、ひいては決算全体を効率的に進めるためには、
監査人と良好なコミュニケーションを取ることが求められます。
つまり、監査を効率的に進めるためには、「監査人を理解して、監査人(の考え方)に合わせる」ということが良好なコミュニケーションを取る1つの方法となります。
監査人の基本的な思考&監査手法は「分析」にあり
監査人を理解するためには、監査ではどういった発想でどんなことを行うのかを知る必要がありますが、あなたはどの程度監査人について理解しているでしょうか??なかなか監査人の思考や監査手法について知る機会はないと思いますので、
ここで簡単にご紹介します。
、、、と言っても難しい話は何もなくて、一言で言えば、監査人は
「分析」を思考の中心におき、監査の手法の重要な1つと位置づけています。
要するに監査人は「分析」というものを非常に重視している、ということです。この、監査人は分析を重視している、というのがポイントになります。
監査人が大切にしているものが「分析(的な考え方)」である。そのことがわかったとして、良好なコミュニケーションを取るにはどうしたらよいでしょうか?
これもコミュニケーションの基本ですが、「相手が大事にしているものをこちらも大事にする」を行うわけです。監査人との関係で考えると、監査人が「分析(的な考え方)」を大事にしているのであれば、経理部としても、分析を大事にしていることを伝える、伝わるようにする、というのが基本的なコミュニケーションのスタンスになります。
では、実際の決算資料はどのような状況になっているか考えてみましょう。
基本的な前期比較等が行われ、増減内容や理由についてのコメントも行われている。そのような決算資料になっていれば、経理部としても分析(的な考え方)を重視していることが自然と監査人に伝わり、良好なコミュニケーションが取れることでしょう。
一方、決算資料は当期の数字の明細しかなく、前年度の数字との比較すら行われていない状況であればどうでしょう。「分析なんて重視していない」ということが、
監査人に伝わるでしょう。
分析が行われていない決算資料の場合には、良好なコミュニケーションが取れていませんので、必然的にコミュニケーションギャップを埋めるために、監査人からの質問が増えることになります。結果、決算中は監査人からの質問対応に追われ忙しくなり、日程がタイトになることからミス等も増えるという悪循環に陥ります。
このように、分析をどの程度充実させた決算資料になっているか否かによって、
監査人とのコミュニケーションギャップの度合いが全く異なることになります。監査人から毎回同じような質問をされるといった場合や、基本的な質問を何度ももらうといった状況にある場合には決算資料が「分析(的な考え方)」に沿ったものになっていない可能性が高いです。改めて決算資料の内容をご確認いただき、分析(的な考え方)に沿った内容に変更することをお勧めします。
整備が確実に進めば、監査人からの質問が大きく減少すること間違いなしです。
編集後記
決算効率化支援を行う過程で、さまざまな会社の経理部の状況を拝見するのですが、決算が効率的に行われていないその根本的な要因は、決算の基本的な「仕組み」にあるケースがほとんどです。基本的なことを着実に行っていく、というシンプルなことがどれだけ難しく、かつ、価値あるものであるのかということを強く痛感しているところです。
解決策として、「魔法の方法」が必要なケースはありません。解決策はいたってシンプルで、ある意味で当たり前の誰でも知っている方法なのです。あとはそれを「やる」かどうか。「やる」価値を見出し、粛々と、地道に前進させ続けられるかどうか。うまく行っている会社とそうでない会社を分ける鍵は、結局このシンプルなところにあるのかもしれません。
分析についても、一朝一夕で身につくものではないのですが、日々意識して分析を行うことで、着実に成果が望めるものでもありますので、ある意味で目の前の成果を求めず、日々薄紙を積み重ねるように分析の実践を行っていただければと思います。
本日もお読みいただきありがとうございました!
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