好きなだけ書いて作りたいと夢に見ていた時間~雨雲出版と今の仕事
ずいぶんリアルな夢を見た。
昨年まで7年ほど勤めていた開発コンサル会社の同僚に単発の仕事を頼まれる。
ブラジルで2週間ばかり研修アテンドの仕事を手伝ってくれないか。スケジュールとカリキュラムはこれこれこうだ、云々。
その仕事は実際に過去の様々な案件でやってきたものと似ていたし、わたしも5月の文学フリマには間に合うスケジュールだし、収入は昨年会社を去って以来マイナスだからとても助かる、と実にリアルなことを思っていた。
心の不安がそうさせたのかしら。
朝起きてリアルすぎて夢と理解するのに数秒かかってしまった。
雨雲出版というレーベルをスタートすることで、自分のやりたいことを形にしたのだと思っている。
大学を90年代が終わる年に卒業し、大学院留学をした時期を除いてずっと仕事をしてきた。
アフリカに関わりのない民間企業、開発コンサルティング企業のアシスタント、専門調査員としてジンバブエに赴任、JICAやJETRO、その後は複数の開発コンサルティング企業。
詳しくは、拙著『雨風の村で手紙を読む』に書いてあるので、ぜひ読んでほしい。
仕事で忙しくしている中で、わたしはずっと書くことを断続的にやってきた。
作家ベッシー・ヘッド作品の翻訳出版はもちろんのことなのだけれど、文章を書くことがわたしの人生の一部だから。
長い間お勤めをしてきて、自分は好きなだけ文章を書くことを諦めてきたように思う。
本当は、好きな国の好きな街に暮らして、文章を書いたり絵をかいたり動画などの発信をしたりして暮らしたいと夢に見ては、そんなのはお勤めをしている限り非現実的、と何故か諦めてきた。
現在は、会社を去った代わりに収入はなくなった。
わたしが翻訳出版の話ばかり書くので、わたしが翻訳で生計を立てていると誤解しているひとがいるのは苦笑するしかないのだが、出版はわたしが自費でするのでかなりの費用を自ら負担するものだ。
いまのところ、クラウドファンディングのような形は、諸々の考えがあって、実施する予定はない。
だから、雨雲出版の小冊子を地味に販売するか、発信物を有料化するか、noteなどで応援していただくか、どこかで文章を書かせていただくかで、その経費を少しでもカバーできればとは思っているけれど…。
夢に出てきたように、単発の仕事があったら助かるのかもしれない。
でも、そうしてまた、好きなだけ文章を書く時間が取れないまま、すべてを停滞させて仕事に振り回されてしまう方が悪夢だ。そんなことをぐるぐると考えている。
収入はマイナスなので不安は毎日あるけれど、それでもわたしはいまずっと長いこと夢見てきた好きなだけ文章を書き、作りたいものを作り、発信するということをしている。
雨雲出版では、2024年5月19日の文学フリマ東京38に出展予定だ。
既刊の『雨風の村で手紙を読む』は、作家ベッシー・ヘッドとの出会いやアフリカ研究のこと、国際協力の仕事のことなどを書いたものだが、現在その続きにあたる昨年の16年ぶりのボツワナ再訪について本を作っている。
同時に、ジャンルは違うが、昨年の治療と手術経験を書きまとめたエッセイと、同じような経験をした人たちへのアンケート調査をまとめたものを本にする予定だ。
自分が、これと思うものをひとに届ける形にすることが、これほど幸せとは、なんて思う。
いつまでも収入マイナスというわけにはいかないけれど、少しでもこれらの本や文章、動画や音声配信が誰かのもとに届き、ボツワナの雨雲のような恵みのかけらとなってくれればいい。
そう思って、今日もキーワードを叩く日々である。
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