遠い放課後と魔法使いの弟子
間延びしたチャイムが過去と未来を繋いでいる。
別に来月まで待つこともない。ピリオドは打とうと思えばいつでも打てる。この銀色の柵は世界を分ける境界線なのだ。冷たい金属の感触を両手に感じている今しか実感がないのなら、私の人生はそのぐらい薄っぺらいものでしかないのだと利枝はため息をついた。
見下ろすと向かいの校舎の昇降口から三人の低学年らしい子供達が飛び出してくる。あんな時が私にもあったのか。 ピンクとブルーとライトグリーンのランドセルが跳ねるように走っていく。ライトグリーンのシ