閉店ギリギリの美容室でかけこんだ私と話した、新人アシスタントの子へ
先日、閉店ギリギリの美容室で
カラーをしてくださいと駆け込んだ。
直前の予約だったため、
「もう帰れる」と思っていた店員さんたちの落胆が丸見えだった。忍びない気持ちで対応してもらった。
それでも営業時間内。
他の店員さんはみんなはけて、
輪になって私語がダダ漏れしていた。
裏では店長がため息をついているのが聞こえた。
忍びない気持ちがあっても、少し苛立ってしまうほどには対応が悪かったように思う。
*
対応の悪い店長と
ひとりだけ、アシスタントの女の子が残った。
とくに何か話しかけてくるわけでもないが
健気に仕事をしているのが伝わってきて
印象のいい子だった。
店長すら裏にいき、店員さん同士の私語が
広い店内に響く中、
ふたりになった機会に話しかけた。
私が「何歳ですか」
そうきくと、『20歳です』と笑ってくれた。
「みんな裏にいってしまったのに
残ってくれたから一番若いのかなと思った。
最後のお客さんになっちゃって申し訳ない」
なんて割と失礼なことを言ったにも関わらず、
『大当たりです笑
でも全然気にしないでください。
今日はお仕事帰りですか?』
と笑ってくれて、雑談をはじめてくれた。
当たり障りない話だったが、
わたしのイライラを取り払うには
充分な時間だった。
*
店長は腕も酷くて、アッシュがきつすぎて
青くなった髪色には不服だったけど。
新人のアシスタントさんとの話で
わたしはこの美容室にいって良かったと思った。
最後に「頑張りましょうね」なんていって
2人で手を振り合ってバイバイした。
いい夜をありがとう。
お互いに、いい大人になろう
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