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【超希少難病】ADSS1ミオパチー患者家族会を通して学んだコト

ADSS1ミオパチー患者家族会CTOの藤岡です。私にとって2024年は特別な1年になりました。年始め、ソッコーで左大腿骨を骨折するという大ケガスタートでしたが、そのケガによる入院がきっかけでADSS1ミオパチー患者家族会と出会い、これから歩む人生に大きな変化をもたらした、そんな風に感じています。

ADSS1ミオパチー

私がその病名を知ったのはいまから4、5年前のことです。いや、正確に病名として認識したのは今年に入ってからです。

私の病気は、はじめは筋ジストロフィー、中でも進行の遅いベッカー型ではないかと疑われていました。正確な診断を下すには筋生検と遺伝子検査が必要という主治医に従い、左腕から筋肉を切り取り (筋組織の変化を避けるため麻酔使用不可、これが痛いし精神的負担も大きい) 遺伝子検査を行いました。遺伝子検査の結果を得るには結構な時間が必要で、まず第一報としてジストロフィン遺伝子に異常がないことがわかりました。つまり、筋ジスではない、と。そして続報により、ADSSL1遺伝子 (現在はADSS1遺伝子) に異常がある 遠位型ミオパチー との診断結果でした。

このときの私は、筋ジスにしろ、遠位型ミオパチーにしろ、薬もなければ治療法もないし、どっちでもいいよ、という感覚でした。諦めてる、というのとは少し違って、この体と付き合っていくしか手段がない、と考えていました。ADSS1をネットで検索しても情報少ないし、まばらな医学情報がヒットするだけですぐに調べることもやめてしまいました。

ちなみに

いまGoogleで「adss1」と検索すれば当会のHPが最初にヒットするし、 Gemini (Google社の生成AI) に「adss1ミオパチー」と聞けば、当会が紹介され、Copilot (Microsoft社の生成AI) に「adss1ミオパチーの患者家族会」と聞けば、先日のnoteの記事 が紹介されました。以前に比べたらADSS1ミオパチーの情報に各段にリーチしやすい環境が整えられたと自画自賛しております。というか Copilot すげーな。先日のnoteは公開してからまだ10日しか経ってないのにもう情報ソースとして使われてる・・・。翔んでスリッパとか言ってる場合か。

証拠のキャプチャ

閑話休題。

ADSS1ミオパチー患者家族会HP立ち上げ

遺伝子検査から時が流れ、今年の3月、主治医の紹介によりADSS1ミオパチー患者家族会の存在を知ります。このとき初めてADSS1ミオパチーという病名を認識しました。InstagramにDMを送ると、HP立ち上げに向けて佳境というタイミング。多少なりともITの知識がありましたから、いやすみません、ウソをつきました。後に当会のCTOに就任するほどの超有能なITエンジニアですから、HPの立ち上げに大きく貢献します。
半分以上冗談ですが、当会のHPは アイ・モバイル株式会社様のCSR活動 に支えられています。患者団体に対して以下のようなホームページサービスを無償で提供する活動をされています。

  • ホームページ

  • 独自ドメインの取得 (維持費も無償!)

  • SSL証明書の取得 (維持費も無償!)

  • 独自ドメインメールサービス (さくらインターネットのサービスなのに無償!)

  • 初期制作

  • 更新代行

  • サポート

すごいなと思うのは、ドメインやSSL証明書の維持費をずっと面倒みていただけるところ。秀逸だなと思うのは、初期制作や更新代行などITスキルがなくても手厚いサポートが受けられるところ。感謝しかありません。そうこうして 2024.5.1 にHP公開にこぎつけます。

ADSS1ミオパチーとはなんなのか?

HPを開設し、本格的に会が立ち上がり、定期的な会合が持たれるようになりました。当会のもっとも大きな目的の一つは、ADSS1ミオパチーを克服することです。克服するには、敵がどんなヤツなのか知らなければいけません。
当会役員の菊池さんのご尽力により、NCNP病院の西野先生、野口先生、斎藤先生とお会いする機会を得たことをきっかけに、自分なりに理解を深めようと情報を整理しました。学びの時間です。

常染色体潜性遺伝する病気を治療するには、どんなアプローチが考えられるのか、ADSS1ミオパチーになるとなぜ骨格筋が障害されるのか、基礎研究から薬ができるまでのプロセスとは。整理した資料を先生にぶつけ、フィードバックをもらい、少しづつ理解が深まっていきました。

①~⑤が治療のアプローチ、吹き出しが先生の見解
菊池さんの協力で完成した絵、難解
基礎研究から創薬までの遠い道のり

と、同時に、病気に対する理解が深まれば深まるほど、世の中の仕組みを知れば知るほど、今できることがあまり多くないと感じるようになりました。

ADSS1ミオパチー患者家族会を通して学んだコト

どうやら薬を作るには、とてつもないお金と時間、それを成そうと志す先生をはじめとした多くの関係者、国の仕組み、政治、運、さまざまなものが必要なようです。一筋縄ではいきません。
ただ、私たちが現時点で幸運なのは、薬を作ろう!と、考えている先生がいて、治験に向けて動き始めている、ということです。こんな機会はそう訪れるものではないでしょうから、微力ながらも精一杯サポートしたいと思っています。

一方、患者家族会の主な活動は月イチのオンラインミーティングです。

日本に80人しかいない患者同士が巡り合うことなんて、天文学的な確率のはずなのに、毎月3~4人の患者が一同に会してるんですよ。すごくないですか?
男三人兄弟の末っ子として生まれ、中学高校と男子校、大学は理系、就職先は25年以上前のIT企業と、生涯男子校、みたいな人生を歩んできた私が、毎回自分以外女性というオンラインミーティングをこなしてるんですよ。すごくないですか? (だいぶ慣れましたが)

当会ではお互いの既往歴を共有しているのですが、そこに出てくるエピソードだったり、お互いに話してる内容に、うんうん頷くことがあって、同病同士だからこそのエンパシーにサプライズすることがメニーメニーあるわけです。

1cm動かせるなら100m動かせる、って感覚があって、まったく動かせないとどうしようもないけど、ちょっとでも動かせるなら、後は時間さえかければ達成できるってことを経験的に知ってるというか。そうせざるを得ない状況に遭遇しているというか。
本人気づいてないかもしれないですけど、そんなニュアンスのことを話してて、あー、この感覚を共有できる人がいるんだなぁ、と。

突然のルー語に自分でも驚いたことはさておき、同じ境遇の人と交換する情報の信憑性というか濃さが違くて。あと、みんな明るい。それとおそらく根気強い。

たぶん、去年と同じように同病者の知り合いもなく独りだったら、こんなに懸命に記事を書いてないだろうし、フォロワーの増えない X (旧ツイッター) を更新し続けてないと思うんですよね。みんな遠慮しないでフォローしたらいいよ。

何が言いたいかと言うと、病気を克服することって薬を作ることだけでもなくて、病気を受け入れながらも自分らしく前向きに明るく生きていくことでも達成しうるし、同じ境遇の仲間がいることが力になったり、自分のためだけに努力するのは難しいけど、誰かのためなら頑張れることってありますよね?

これこそが一番の学びだったと感じています。

最後に

49歳にもなって『人との繋がりが力になる』ということを「学んだ!学んだ!」と喜んでるあたり「のびしろ」しかねーなー、と思う今日この頃でした。

今日の一句
そういえば うちの兄貴も 同病者

寸評:兄弟仲悪くないけど、お互い病気のことは遠慮がち

誤解されそうなので蛇足ですけど、カミさんが一番の理解者であり、日々の生活を支えてくれているかけがえのない存在です。いつもありがとう。

それから、薬をつくることを諦めた訳では全然ないし、最終的にはADSS1ミオパチーだけじゃなく、すべての希少難病の薬がバンバン出来上がる世界を作る!という壮大な野望も心に秘めてますよ!

クリスマスツリーを撮るカミさん

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ADSS1ミオパチー患者家族会
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