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『海洋プラスチック汚染』を読んで。

漠然とこの問題には興味がありました。自分が魚を食べるのが好きだからなのかもしれません。

元々興味があったことから見知った内容も多かったです。

例えば、海ゴミが見つからない場所の方が世界的には珍しいこと。深海でもゴミが見つかっていること。海に取り残された漁具で水生生物が次々に死んでいくゴーストフィッシングが起きていることなどです。

個人的に新しいと感じたのは、大きく分けて5つあります。

リサイクル問題、プラスチック汚染の始まり、プラスチック汚染による新たな生命圏の発生、生分解性プラスチックへの誤解、消えたプラスチックゴミの5つです。

リサイクル問題

日本でもリサイクルはよく謳われています。実態としては、プラスチックのうちリサイクルされているのは全体の82%で、全体の57%は熱回収としてのリサイクルでした。熱回収をリサイクルとして位置付けるのは世界的にも珍しいようです。残った25%がリサイクルとされているようですが、海外への輸出してからのリサイクルもあるみたいで、実質的には1割程度のリサイクルみたいです。海外のリサイクル先としては中国がこれまでは筆頭だったようですが、今はベトナムやタイといった東南アジアが主流なようです。
中国に行ったプラスチックゴミはぬいぐるみの綿としてリサイクルされるというのを読んで、「だから、ぬいぐるみは中国製が多いのかも?」と思ったりしました。昔は中国製はちょっと…みたいな風潮がありましたが、元を辿れば日本で排出されたゴミをリサイクルして中国製として私たちの手元に届いていいるのかなとも思いました。

プラスチック汚染の始まり

大西洋の北東にあるロッコールトラフで40年以上に渡って継続的にヒトデの標本を調べた研究では、どの年も必ずプラスチックが体内から発見されたという報告があります。研究開始時期をかんがみると、1976年よりも前に既にプラスチック汚染は始まっていたとされているようです。
問題は深刻だとされたのはごく最近で、今から50年近く前からプラスチック汚染は始まっていたのだと考えると、とても恐ろしいものだと感じました。

プラスチック汚染による新たな生命圏の発生

北太平洋では、プラスチックゴミが増えたことでウミアメンボの数が増えたという報告がある。プラスチックゴミがアメンボの産卵場所になっているのではないか?とされている。
ゴミが増えたことで生物が増えるということもあるのだと思った。ゴミは生物を減らすというイメージしかないが、そんなこともあるのかと。

生分解性プラスチックへの誤解

現在市場に出回っている生分解性プラスチックの大半はポリ乳酸(PLA)だが、生分解に五〇度以上の温度を必要とする

本書より

とあり、正直、驚いた。生分解性だから放っておいてもどうにかなると解釈していたので、全くそんなことはなかった。確かによくよく考えれば、海の温度は常温以下であって、ペットボトルで飲み物を飲む温度とさほど変わらない。仮に長期間ペットボトルが放置されたら分解されているのは怖い話でもある。

消えたプラスチックゴミ

端的に書くと、今、海に浮かんでいるプラスチックゴミは計算から導きだされるゴミの1%に及ばなく、説明のつかないプラスチックは「行方不明プラスチック(The Missing Plastics)」と呼ばれている。このプラスチックは世界的に研究の関心を呼んでいる。
ゴミは増えていると分かっているけれども、どこに行ってるのか分からないのは怖いと同時に、自然の動きを相手にしているのだから、計算するのは難しいのも当然かとも思った。

最後に

海洋ゴミ問題について新しい知識を知ることがでにてプラスになりました。






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