世界を知る フランス
『池上彰の世界の見方 フランス』を読みました。
以前に、同じシリーズの東欧・旧ソ連編を読みました。
私、このシリーズ好きかもしれません。
スポットに当たっている国と周辺国との話題が多く、これらが歴史にヒモづいて書かれているからです。
私のクセというか、大切にしていることに「なぜこの出来事は起こったんだ?」と考えながら読むようにしています。理解するためには重要だと考えているからです。大抵答えは書かれていません(読み取れてないだけかもしれませんが)が、疑問点を持ち続けるのは理解し続けるために大切なのかなと。
この本はそういった背景についても踏み込んでいて、腑に落ちやすいです。
話題が変わったとしても、一度説明されたことに自然と結び付き、「あ、こことつながるんだ」と全体感が分かった気になりやすい(そういう構成にしているのかもしれない)です。
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前提知識として、フランスと聞いて思いついたのは「パリ」「エッフェル塔」「ワイン」「フランス料理」くらいでした。
私の記憶上、本書で触れられていたのはパリとエッフェル塔くらいの記憶です。
エッフェル塔は建設当時は鉄筋だらけの気味の悪い建物と評価されていたようです。言われてみればそうですが、昔は珍しかったのでしょう。
ここからポツポツ、覚えていることを書いておきます。
・移民が多い。植民地にしていたアラブの国々。アラブというのは、アラビア語を話す人たち。他にも北アフリカの方。エジプト、チュニジア、アルジェリアなど?
・高校卒業試験(バカロレア)がある。日本の大学入試とは違う。高校卒業の資格を得る試験。これに卒業しないと大学受験ができない。その試験には日本にはない哲学の試験がある。正解のない試験で、論理力が問われる。確か、本書には「芸術的実践は世界を変えるか?」という問題が載っていた気がする。
・ライシテ(政教分離)の精神が強い。ライシテはフランス語で政教分離を示す言葉。政教分離とは言わずにライシテと呼ばれるのは、フランスが各国と比べて徹底しているから。
移民が多いので、学校教育でも問題が起きた。イスラム系の女性はスカーフで肌を隠すが、宗教に対してお金を投入してることになるので問題では?と。最終的に公立学校はダメ?となったが、私立学校は許された。
覚えているのは、こんな所です。
他には、意外とフランス語って公用語らしく、国連なんかでも英語の次に使われているそうです。
あとは、ドイツやイギリスと仲が悪かったことです。この辺の歴史は学校で習っているはずなのですが、全く記憶になかったです。
本書を読んでいて、フランスは他国と同盟を結んで団体で戦うというよりも、自国だけで戦うという印象が強いです。フランス革命の影響があってか、権力者に従うのではなく、1人1人が考えて行動し、自国を守るんだという使命感が国全体としてあるのかもしれません。
この背景からストライキが頻繁にあるそうです。電車も止まったりするそうですが、気にする人は少ないようです。自分の身近にあることで不自由が起これば、不満があれば闘ってもいいんだと思う人が多いのかもしれません。
ですが、時には手を結び戦争を回避することもあります。今のEUの元になる共同体を作ったのはフランスです。最初は欧州石炭鉄鋼共同体と呼ばれる組織でした。名前の通り石炭・鉄鋼を扱う組織です。フランスとドイツ?の境目にある場所が鉄鋼の生産地でした。そこを巡ってまた戦争が起きてしまうのではないかと危惧し、戦争を避けるためにこのような共同体を作ったと、記憶しています。
と、まあ、フランスに関することを少しは知れたのではないかと思っています。
では。