
【読書感想】ADHDコンプレックスのための脳番地トレーニング
ノロノロと感想文を書いていきたいと思う。
ADHDコンプレックスのための脳番地トレーニング 加藤俊徳
本書はいわゆるADHDに対する克服本である。ADHD当事者が抱える実際のお困りごとに対して、脳診断と言って後述する診断を下し、処方箋という名の解決法を提示する一問一答形式になっているので読みやすい。だからどこから読んでもいいし、目次を見て困ったことから読み込んでみるのもいいだろう。
はじめにADHDコンプレックスとはADHDを抱えているにも関わらず、他発達障害の併存やグレーゾーンによってADHDが隠れやすい人のことを本書では指している。ここについては正直、発達障害はスペクトラムとよくいうようにADHDなら単品でそれだけ、ということはなく大体の場合併存しているのだからあえて強調させてADHDを際立たせなくてもいいんじゃないかと思った。伝わるかな、その人が強い傾向(ASDならASDを)にたいしてその人が向き合えばいいんじゃないかなと思ったから、ちょっと作者と私は考え方が違うかもしれない。
そして脳番地は、働きのタイプによって『運動系脳番地』や『感情系脳番地』など8つの系統に分類できるとしていて、その番地ごとによって章が分かれている。これについては脳の作りがそうなのだからそういうもんなんだろう。
本書の総評としては、『実践しにくい克服本』だなという部分と『脳番地は確実に存在している』の2つに分かれる。前者からいくと、例えば記憶系脳番地によって重要な書類の確認事項を忘れるという相談に対して、仕事関係の情報を全て詰め込むマスターノートを作るとかがあった。他にもメモをすぐとるとか、マインドマップを作るとか、ちょっと昔的な、非デジタルな方法が多くて、それが苦手な私にとってはどれも実践しにくかった。
第一書いたものは忘れるし、またゴミになるし、そして捨てられない片付けられないの悪循環になるんじゃないかってくらいアナログな書き物のススメが多くて参ってしまった。毎朝仕事のマスターノートを作り、他にも占いを学ぶとかよくわからないものがあったり、夜には毎日日記をつけた方がいいという。ちょっと私にはハードルが高すぎた。デジタル脳の私は、デジタルに置き換えたらできるかもしれないけれど。
後者については脳にはそれぞれの場所で決まった作用があり、実際のお困りごとを見てもまさしくそれに通ずるものがあった。例えば運動系脳番地で困っていたらそれ専門の解決法があり、実際に非デジタルな方法であっても試してみたら良くなったこともある。一番面白かったのが、感情系脳番地でカッとなった時の対処法なんだけど、著者は目をつぶって片足立ちしてバランスに意識を向かせ、怒りを追いやるというのがあった。デタラメだと思ってやってみると結構怒りは沈んだので、脳との関連性から紐解いた斬新な克服法だなと思った。
終わり
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