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【広告・マーケNEWS】鍋前線に駆け込み鍋など、加熱する鍋マーケティング・・などトレンドニュースまとめ

毎朝1つずつ、広告・マーケの最新トピックから得た洞察を投稿しているホイポイプロダクションズのX(Twitter)の1カ月分の内容をテーマ・項目別にまとめて掲載します。

広告クリエイティブ

PickUP①:伝説のCMというコミュニケーション資産

過去の名作広告はここぞという時に使えるコミュニケーション資産。レッドオーシャン化している青汁市場においてキューサイは「まず〜い、もう一杯!」をリバイバル。中学生の頃から愛飲している中山きんにくんを起用し「本物は、まずい」をキーワードに、様々な青汁が林立する中での王道感を訴求。
参考:「まず~い、もう一杯!」を再び 当時の「青汁」を模したパッケージと新CM、キューサイ

PickUP②:ダンボール一年分プレゼント

「もしも◯◯がなかったら」構文も、いにしえより伝わる強いフックがある。サクラパックは「もしもダンボールがなかったら」という視点で引っ越しや宅配の大変さを描写し、日常化し過ぎたダンボールのありがたみを再認識させた。動画配信記念の「ダンボール一年分プレゼント」もユーモアがあって最高だ
参考:段ボール業界の人材獲得戦略 段ボールが存在しない世界を描く動画を公開、サクラパックス

PickUP③:表現技術としてのレントゲン写真

メッセージを信じてもらうためには、表現手法そのものをRTBとするのが近道。プリングルズはパッケージの小型化によっても内容量は同じことを訴求するためレントゲン写真を採用。ポスターの角度違いで透過して見える仕様にすることで納得度を高めた(知らない人の53%は内容量が減ったと感じたという)
参考:見る角度でビジュアル変えた プリングルズ、X線で中身丸見え「レントゲン広告」

PickUP④:水と油の異次元コラボ

一見相反するものでも、切り口を変えれば同じ方向を向いて共闘できる。串カツ田中の油と、メンズビューティーケアブランドのunoの潤いは一見「水と油」だが、「(男を)アゲる」という点では同じ、ということでコラボ企画を実施。串カツを楽しむ男性にスキンケアを促すことを狙う。
参考:串カツ田中とuno 水と油の異色の「アゲる」コラボが11月1日から開始

PickUP⑤:90年代の文化遺産の資産化

CDがテープのシェアを抜いた91年を皮切りに、歌番組の充実が後押しした90年代はJ-POP黄金時代。30年後の現在、この豊かな文化鉱脈は第二の旬を迎えている。時の流れによる熟成を経て、年長にはノスタルジックに若い人には新鮮に響く。マクドは伊藤沙莉を起用し「それが大事」の替え歌を歌番組風に再現
参考:90年代の名曲を替え歌に 歌謡番組風のマクドナルド新CM

PickUP⑥:応用ワザ訴求によるサブ需要の開拓

高度な気候予測をマーケティングに活用する動きも広がっている。エバラ食品は暖冬が予想され、鍋需要の低下が見込まれるこの冬に向けて個食鍋ブランド「プチっと鍋」シリーズの汎用性をアピールするため瀬戸康史が肉野菜炒めを料理するCMを制作。メインの30-50代に加え若年層向けに縦型動画も展開する
参考:厳しい残暑の「鍋」戦略 鍋料理以外の活用方法を訴求、エバラ食品工業

▶このNEWSを基に制作した記事はコチラ➡異常気象が日常化した、いまの時代の処方箋。気象予測データを活用した「お天気マーケティング」 - アトリエライフ通信

PickUP⑦:グレードダウンによるリアル表現

日常接する動画がテレビだけだった時代ならともかく、今はスマホ動画も含めて相対化される。すると作り込まれたCMの画質が「浮いて」観えるためリアリティが伝わらない。そこでキリンのRTD「花よい」はフィルムカメラで、タレントの実際の友人との宅飲みシーンを撮ることで臨場感を演出している。
参考:キリン新ブランド「華よい」CM 実際の友人起用でリアル「宅飲み」を演出

PickUP⑧:日常ストレスをベネフィットにつなぎ込む

現代のちょっとヤなことあるあるのフラストレーションを商品ベネフィットに接続すると行動喚起につながる。エバラなべしゃぶは桜田ひよりを起用し「イヤフォン片方消失事件」等をTikTok縦型動画で描き、未解決のまま「ダメだ、鍋だ!」と展開。“鍋料理で人生がほんの少しイージーモードになる"を訴求。
参考:ダメな日は鍋だ!エバラ、桜田ひより出演の縦型動画公開

▶このNEWSを基に制作した記事はコチラ➡異常気象が日常化した、いまの時代の処方箋。気象予測データを活用した「お天気マーケティング」 - アトリエライフ通信

PickUP⑨:キャスティングのケミカル

クリエイティブって足し算をかけ算にすることでもある。アスタリフトの新CMは宮崎あおいと岡田将生という鉄板俳優に、社会学者の古市憲寿を混ぜることでケミカルを創出。「気休めとしては素晴らしい言葉ですね」などといつものヒネクレ台詞を言いながら商品をつけるのは古市氏のキャラを活用している
参考:19歳の宮﨑あおいの写真を公開「アスタリフト」新テレビCM

PickUP⑩:公共放送のギミックをコミュニケーション活用

生活者に気づきを与えるには、視点を変えてみること。生活者は当然「人間視点」で日々を送っている。そこで花王は「水視点」でせつないストーリーを描くことで節水を訴えた。物語があっという間に終わる切なさを強調するために、NHKのパロディで「制作著作/花王/終」のマークを入れた。
参考:節水の必要性を訴えるべく、花王が公開した14の「せつない水の物語」

PickUP⑪:場としてのガソリンスタンドブランディング

8月からのENEOS新CM、一部で「狙いがわからない」「意味不明」との意見もあるという。恐らくだが川口春奈と大泉洋の会話を通じて「ENEOSのガソリンスタンド」という場所自体のブランディング=通いたくなる&そこで働きたくなるが狙いでは。価格以外で差別化はしにくいからこそ「場所シズル」を上げる。
参考:川口春奈を起用、好感度CMの狙いはリクルーティングか販売店支援か/ENEOS

PickUP⑫:空耳ソングの逆活用

有名な空耳ソングもコミュニケーションフックとして使うと絶大な効果がある。聴覚障害=シニアというイメージが強いイギリスで検査を進んで受けてもらえるよう、1980年代に大ヒットしたリック・アストリー本人にあえて間違った方を歌ってもらい、違いがわかれば聴覚は大丈夫と聴覚検査を兼ねたCMとした
参考:カンヌライオンズの潮流とPRの未来 ~アワード受賞のヒントを探る~【前編】

PickUP⑬:没入➡引きによるパーセプションの更新

前提意識を取り払った上で改めて物事に触れさせることで長年のアンコンシャスバイアスを取り払い、大きな捉えなおしを促せる。フランスのORANGEはサッカーをAIによるVFXで迫力ある映像に仕立て、実は女子サッカーの試合であることを時間差でわからせることで注目率が低い現状を認識から変えた
参考:カンヌライオンズの潮流とPRの未来 ~アワード受賞のヒントを探る~【前編】

PickUP⑭:おなじみの「声」のレバレッジ

社会課題へのアプローチは自社の持つアセットの延長線上に置くとコストをかけず効果的なメッセージが打てる。ニューヨーク地下鉄はおなじみのアナウンスをするLGBTQのバーニーさんがかつて男性だった時の声を聴かせることでトランスジェンダーを可視化。身近なものとして捉えなおさせることを狙った。
参考:カンヌライオンズの潮流とPRの未来 ~アワード受賞のヒントを探る~【前編】

PickUP⑮:社会課題の着手はまず自社周辺から

社会課題への取り組みは有意義だが、まずは自社ビジネス周辺から着手すべき。ハイネケンは BtoBの最重要取引先のBARの人材不足解消のため、就職人気の高い自社の採用基準に「BAR EXPERIENCE」を追加。またマネジメント層のバー経験も公開するなど、経営の根幹から社会課題にコミットする姿勢を見せた。
参考:カンヌライオンズの潮流とPRの未来 ~アワード受賞のヒントを探る~【後編】

PickUP⑯:カテゴリを問い直すアプローチ

社会課題へのアプローチとしてカテゴリの認識を正す問い直しがある。DOVEはオクルヴィと共に20年間「Real Beauty」キャンペーンを継続。今年は「美しさの代償」がテーマで、 SNSを浴び続けた結果体型を気にして拒食症とうつになる少女メアリーを描き、ザッカーバーグからも非を認めるコメントをとった
参考:カンヌライオンズの潮流とPRの未来 ~アワード受賞のヒントを探る~【後編】

PickUP⑰:コミュニケーションの蓄積価値

軸となるコンセプトをブラさず続けるブランド活動は真実性を纏う。20年間「Real Beauty」というテーマを続けてきたDOVE は、AI検索で「世界一美しい女性は?」に「Real Beautyキャンペーンによると」をつけることで過去取り上げてきた人種・年齢を問わない多様な美のあり方が出てくることを示す。
参考:カンヌライオンズの潮流とPRの未来 ~アワード受賞のヒントを探る~【後編】

PickUP⑱:案件ごとに関わり方を定義する

仕事というのは全て定型的ではないので、自分の関わり方を決定していくことから始まる。「僕の君は世界一。(パルコ)」もコピーライターである糸井重里の関わり方は決まっておらず、川崎徹によってほぼ完成していたTVCMにコピーをねじ込む作業だったという。そこで燃えて価値を加える人がプロ。
参考:糸井重里さんに聞く、「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などのコピーが生まれた現場(前編)

マーケティング

PickUP⑲:シーズン到来はメーカー側がつくる

季節消費型の商品はメーカー側がキュー出しをすると需要を呼び起こせる。長い残暑を受けてミツカンは「最低気温15℃以下が3日続いた日=鍋開き宣言」として発表。さらに予報をもとに「鍋前線2024」も発信。鍋つゆ市場は19年比108%と増進中で、タイパとつながり重視の若年層に積極的にアピールを続ける
参考:「タイパ」ニーズに応えた「鍋つゆ」戦略 友だち同士で楽しむ新しい価値提案、ミツカン

▶このNEWSを基に制作した記事はコチラ➡異常気象が日常化した、いまの時代の処方箋。気象予測データを活用した「お天気マーケティング」 - アトリエライフ通信

デジタルマーケティング

PickUP⑳:RPGの没入感をブランドに活用

商品の物性にエッジを立てるためには様々なアプローチがあるが、Web上のRPGゲームで表現するのは没入感が高い。カンロのカンデミーナはそのハードな食感を訴求するため「ストレスフルRPG 魔王ムキーの挑戦状」を制作。ストレスを感じすぎてゲームオーバーするたびにカンデミーナで復活する
参考:ハード食感でストレスを乗り越えて! カンロが商品をテーマにゲーム制作、“ストレスフル”RPGが公開に

PickUP㉑:SNS営業のストーリー設計

個の発信がやりとりされるSNSは創発性の基盤となっており、SNS営業も一般的になってきている。ただ漠然と投稿を続ければよいわけではなく、一定の型が存在する。アナログ営業に比べると、初期アプローチからクロージングまでのプロセスに緻密なストーリー設計が必要になってくるが、コスト効率は抜群
参考:SNS営業とは?スキルは不要、効率よく成果を生み出す注目の営業術

ブランディング

PickUP㉒:クリエイティブクラスターへのアプローチ

宣伝会議賞など、コンクールのお題とすることで情報感度の高いクリエイター層のマインドシェアを上げる効果が見込める。じゃがりこはクリエイタープラットフォームのSUZURIとコラボしてイケてるグッズデザインのコンテストを実施。ファンのアイデアを通してインサイトを探りつつ、ブランド熱を高めた。
参考:ファンとブランドグッズ共創 「じゃがりこ」のデザインコンテスト開催、カルビー

プロモーション

PickUP㉓:街をキャンバスにするOOH

OOHは街全体を広告表現のキャンバスにすると、体験型アトラクションへと昇華する。森永乳業MOWは「MOWを独り占めするためにあちこちで隠れて食べる河合優美」を渋谷の街のあちこちに展開。街中でかくれんぼできる体験設計を仕掛けた。見つけたら思わずシェアしたくなるくすぐり要素がてんこ盛りの企画
参考:河合優実が渋谷の街でかくれんぼ リアルとデジタルでMOWブランドの想起を狙う

PickUP㉔:店内放送でカルチャー醸成

古本屋など滞在時間の長い店舗は、店内放送でカルチャー醸成ができる。ブックオフはあのちゃんと先輩店員の掛け合いCMを店頭×TVでメディアミックスさせてカルチャー化を推し進めている。18月からは「ごろごろマン」を登場させ、フリマアプリの梱包・配送がめんどくさくてできない層の取り込みを図る。
参考:整理整頓が苦手な男性が登場 「断捨離」ニーズに応えたブックオフCM

メディア

PickUP㉕:OOH×実測データ

OOHの弱点はリーチ計算の曖昧さで、駅貼りならその場所ではなく駅全体の乗降客数を基に判断していた。これを解決するのが人流データの活用。ジオテクノロジーズは屋外広告に対し進行方向で視認エリアにいる、なおかつ周辺の障害物に影響を受けずに広告媒体を見ることができるオーディエンス計測を開始
参考:人流データで屋外広告の広告接触を測定 ジオテクノロジーズが特許取得

企画の幹は、言葉でつくる。

今回取り上げたような最新の広告・マーケ情報をアップデートしながら、現在様々な企業・ビジネスの支援を行っています。2021年に淡路島移住と同時に立ち上げたひとり会社ホイポイプロダクションズで、代理店サイドと事業部経験、また広告発想と編集視点を身につけた二刀流ライターとして腕を振るっています。単にコピーだけではなく、そもそもの問題点抽出や課題設定から戦略➡表現定着まで一気通貫で手さばきよく対応しますので、モヤモヤした案件があればお気軽にご相談を。マニフェストLPはコチラ▼

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