人事業務を理解する-戦略策定編(人事戦略の運用管理)
前回までの回で見てきたポリシーが決まったら、今度は人事戦略の運用管理についての検討です。
人事戦略は、中長期経営計画を基に立案され、実行されるべきものです。
人事戦略とはあくまで経営戦略を実行するための戦略であることを忘れないようにしましょう。
良く人事戦略が目的化されてしまって社内で内向きの議論ばかりをしてしまう企業を見かけますが、人事戦略は事業を成功させるための手段です。
それでは、人事戦略の運用管理における重要な手法とその理由について詳しく説明します。
中長期経営計画を基に人事対応の領域を定義する
人事戦略は、組織の中長期的な目標や方向性を考慮して策定されるべきです。経営陣と連携し、中長期経営計画の要件を理解し、それに基づいて人事対応の領域を定義することが重要です。人事戦略がビジョンに合致していることで、組織全体が一丸となり、目標達成に向けて効果的に取り組むことができます。
年度別KGI/KPI目標の策定
人事戦略の実行を具体化するために、年度別の重要な業績目標(KGI: Key Goal Indicators)や業務指標(KPI: Key Performance Indicators)を策定します。これにより、戦略の進捗を定量的に評価し、必要に応じて調整することができます。KGI/KPIは組織全体や各部門・個人レベルで設定し、目標の達成度を明確に把握することで、意思決定の根拠となります。
関係各位への伝達・進捗管理
人事戦略の運用管理では、関係各位への伝達と進捗管理が欠かせません。経営陣や関係部門とのコミュニケーションを密にし、戦略の意図や目標を共有することで、組織全体の理解と協力を得ることができます。また、定期的な進捗報告と評価を行うことで、人事戦略の効果を把握し、必要な修正や改善を実施することが可能となります。
では、なぜこれらが重要なのでしょうか?
ビジョンとの連携
人事戦略が中長期経営計画と連動して策定されることで、組織のビジョンと目標が一致します。これにより、組織全体が同じ方向を向いて取り組むことができ、戦略の成果を最大化できるようになります。
戦略の具体化と評価
年度別のKGI/KPI目標を設定することで、人事戦略の具体的な行動計画を定めることができます。また、定量的な評価指標を持つことで、戦略の進捗状況を可視化し、課題や改善点を把握できます。
組織全体の理解と協力
人事戦略を関係各位に伝えることで、全社員が共通の目標に向かって協力する意識が高まります。経営陣や部門間のコミュニケーションが円滑に行われることで、情報共有や意思決定が迅速に行われるでしょう。
戦略の改善と継続的な進化
定期的な進捗管理と評価により、人事戦略の効果を測定し、必要な修正を行うことができます。変化する組織の状況に柔軟に対応するためには、継続的な評価と改善が重要です。
今回は、人事戦略の運用管理を見てきました。
人事戦略の運用管理は、組織の成長と目標達成に向けて不可欠なプロセスです。
中長期経営計画と連携し、具体的なKGI/KPI目標を設定することで、戦略を実現するための行動計画を策定します。
さらに、関係者とのコミュニケーションを図り、進捗管理と評価を行うことで戦略の効果を把握し、組織の成果を最大化することができます。
重要なのは、継続的な改善と進化を図りながら、組織と人材の成長を支援することです。
是非、人事業務を体系的に理解し、業務に役立ていきましょう!!
Actors,Inc
代表 井田
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