自然が教えてくれる心技体を整えるということ〜スキー散歩へ
日本トップクラスの豪雪地帯である、ここニセコでの暮らしは大変です。
もうね、あまりに大変過ぎてどう表現したら良いのか?も考えられないくらい。
ゴミを捨てるのにも雪かき。
買い物行くにも雪かき。
屋根に雪庇ができれば、対策に頭を悩ませ。
吹雪で前が見えないときは、ゴーグルかけて運転もするし。
けどですね、そんな大変な毎日もお気に入りの日課があるのです。
スキー散歩
仕事でスキーをするので、日課と言うと語弊がありますが、オフの日に一人で行くのが私の言うスキー散歩のこと。
「散歩」というと歩くことをイメージしますが、少し違います。
アルペンスキーを履いてリフトに乗り、ちょこっとコースから外れて森の中を歩き、程よい斜面を見つけては滑り降り、またコースへ帰ってくるという、1時間もあれば充分可能な散歩のことです。
「えっ?それってただのスキーでしょ」と思うなかれ、そこには素晴らしいことが凝縮されているんですよう。
心技体を整える
いつも同じルーティンではありません。
リフトに乗りながら、前日までの降雪や風の様子を思い出し、辺りを見回し、行くエリアを定めます。
「バフっバフっ」と森の中をラッセル(雪をかき分けること)しながら歩き、「よし、ここだ!」と決めたら、身体の中にリズムを刻み始め「えいっ!」と滑り始めます。
程よいところで滑りを止め、振り向くと、そこには私だけのその日しかないシュプール(スキーで滑った跡)が刻まれています。
「うまくできた」と納得する日もあれば、「あーあ、あそこで失敗」とガッカリするときも。
シュプールって正直なんですよね。
なんとなく嫌な気分だったり、気分が良くても疲れていたりすると大抵失敗しちゃいます。
逆に心がスカッとしていて身体も軽いと、思いのほか、カッコいいシュプールになります。
うまくつけようとテクニックありきになると、自然の中で妙に浮いてしまったりすることもあるし。
その一瞬の自然に合わせた絶妙なさじ加減が、心技体を整えてくれるんだなーと。
過去を刻み、未来を感じる
もうひとつ感じることは、シュプールは自分自身の「過去」だということ。
自分の状態が反映されている直近の「過去」だと思うのです。
そして立ち止まり「過去」を振り返り、喜んだり悲しんだりしているのが「現在」の自分。
大切なのは、そこから先の「未来」です。
前を向くとその先には真っ白な雪原や斜面が広がっていて、どこをどう歩くのも、どう滑るのも全て自分次第。
天気が良く気分も乗って前へどんどん進むのもよし、なんだか気乗りしないし雪も降ってきたからもう帰ろう、もよし。
あらゆる可能性は全て自分が握っているのではないのでしょうか。
やり直せるんだ!
数日後同じ場所へ行ったとき、私がつけたシュプールが残っていることは、まずありません。
満足したものも、失敗したものも、全て雪や風が消し去ってしまいます。
常に真っ白なキャンパスが広がっているので、また一からやり直し。そのこと自体に誰も文句を言わないし、責められもしません。
失敗してもいい、間違ってもいい。
いつでも「やり直せる」と思えることで、心がふっと軽くなるのです。
そんな日常生活を送れる今は幸せだなぁと感じつつ…
壬・寅年が過ぎ去っていきますね。
みなさまの一年はいかがだったのでしょうか?
2021年11月にnoteを再スタートし、この一年は切磋琢磨しながら書き続けることができました。
それもこれも、noterさんのコメントに励まされたり、記事を読ませていただき色んな考えや意見に触れ合えたからです。
ありがとうございました!!
ぴょんぴょんぴょんとやってくる癸・卯年も、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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