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最古のバイオビジネス、種麹屋さん
日本の調味料に欠かせない、米麹。
醤油も味噌もお酢もすべて麹でつくられています。
日本食に欠かせない米麹はどのように作られるのかご存知でしょうか?
代表的な米麹でいうと
・米を蒸す
・種麹をふりかける
・36〜37℃、湿度の高いところで1日発酵
で、出来上がり!なんです。
そんな、米麹づくりには種麹という麹菌の素みたいなものが大切。
菌のかたまり、パウダー状のものが種麹です。
ここから、麹菌が繁殖してどんどんご飯を米麹にしていってくれます。
ほんとに、微生物のちからって不思議。
その、種麹は日本で古くからビジネスとして成り立ってきました。
菌がどういうものなのか、科学的に培養することができない時代にすでに、です。
今の時代だったら、科学的にも培養法を特定することができます。
それが、顕微鏡もない時代に確立されていたということにほんとうに驚きました!
では、種麹はどのような方法で作られていたのでしょうか。
カビである麹菌はその生える温度や湿度を考えると、麹菌が繁殖する環境は他の菌も繁殖しやすいもの。
それを、科学技術などがまだない室町時代に木灰を利用すると失敗が少なくなる、ということが解明されました。
木灰を含ませることで培地がアルカリ性に寄り、他の腐敗菌の繁殖を抑えて麹菌だけが繁殖しやすいという環境を作り出すことができるという事実を特定したんです!
それはそれは、当時画期的でした。
なぜかはわからないけれど、麹菌だけがうまく繁殖して種麹ができる。
この技術は秘伝とされ、全国でも一部のメーカーのみが市場をとるというビジネスになっていきました。
室町時代にはすでに日本で微生物を販売するという、バイオビジネスが確立されていたのです。
それは、世界的にみても稀なこと。
ヨーロッパで盛んなワインはブドウの皮に付いた酵母によって発酵させます。
それは、ひとが菌をコントロールしているというより、自然にあるものを使わせてもらっているという感覚。
発酵食品というものは自然に任せて、ある程度はその環境に左右されてしまうのが常です。
一方、日本で確立された種麹づくりは確実に麹菌を純粋培養することができるという、優れたものでした。
だからこそ、今の繊細な日本酒づくりがあり、味噌や醤油づくりがあるのです。
自然の恵みをいただきながら、少しだけひとの手を入れておいしいものをさらにおいしく確実につくれるように工夫する。
それは、もっとおいしいものが食べたい!という気持ちがそうさせているのかな?と思いました。
いつの時代もくいしんぼうで、だれであってもおいしいものはうれしいものです。
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