三年目にして ようやく芽が出る
断酒して3年が経過した。
どうせnoteで断酒を記事にするなら 断酒した直後から記事にした方が良いとも思えるが、当時はそれどころではなかった。
今回は、なぜ 酒を辞めて3年目になってようやく noteに原稿を書くようになったのか(書けるようになったのか)?ということについて 考えてみる。
3年目にしてようやく芽を出しはじめた記事、だ。
■いろいろ秘訣はあるけれど
断酒に成功する秘訣は、酒を完全に忘れ去ることだと私は考えている。
そのため、断酒を始めた当初は、毎日自分が酒をやめたことをnoteに記事として書き留めることは避けていた。
その記録をつけていることで、スリップ(再飲酒)してしまうのではないかと怖かったのだ。
断酒を成功させるポイントはいくつもあるが、その中でも 重要なのは 心を常に穏やかに保つことだと考えている(この辺のことは別の記事でも ちゃんと書こうと思う)。
■いつでも、どこでも
別れてしまった恋人を忘れるのが難しいように、酒の効果を忘れることも難しい。
ただ、昔の恋人と決定的に違うのは、酒はそこら中で会うことができ、スーパーやコンビニでいつでも会うことができる。陳列棚から触ったところで、全く怒られることはなく、彼女はむしろいつでも「連れ帰って」と囁くような熱っぽいまなざしで応えてくる。
しかも、ヨリを戻すための言い訳は全く不要で、ちょっとした金を払うだけで その晩はたっぷり酔わせてくれる。
一口ごとに、情熱を帯びるキスに溺れていき、ふと気づけばベッドに沈められ、波のようにうねるシーツの海に溺れて意識を失う…(翌朝になると、ひどい二日酔いという追加料金を支払う羽目になる)。
さて、こんな悪女(酒)と別れるにはどうしたらよいか?
さほど難しいことはない。
まずは、「①思い出さない」ことだし、なにより「②こちらからも会いに行かない」ことだ。
幸いなことに向こうから 私に「会いに来る」ことはない。
ただ時折、歩いている途中でゴミ置き場から甘い、懐かしい声が呼んでいるように感じてハッとする。
よく見ると、それはただ野良猫がゴミ箱を漁っているだけだ。
そして、あの見慣れたラベルの空瓶は、もう使命を終えて静かにそこにあるだけで、私の存在などもう関係なく、回収車を待っている。
■3年が経過して
なんだかんだで、3年が経過した。
今では、かつての「彼女」とスーパーの陳列棚で目を交わしても、ただ風が通り過ぎるように互いを無視できる。
彼女もきっと、私のことを忘れ去ってくれただろう(まるで海辺に残した足跡が波に消されるように)。
...と思いつつも、油断はできない。
私が酷く沈んだ暗い夜には、彼女はまた例のごとく悪女のように現れるのではなかろうか。
開け放した窓から 猫のように 私の胸元へ するりと忍び込み、尻尾の先で私の鼻先を
こちょこちょと くすぐるに違いない。
だから、そんな事にならぬよう 調子の悪い夜は窓を締めて 早めに寝てしまうべきなのである。
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