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アダルトチルドレンカウンセラーの探し方

今回はカウンセリングの話です。

私は今、アダルトチルドレンのカウンセラー側として、活動をさせていただいていますが、もともとは受ける側として多くのカウンセリングを受けてきました。

カウンセリングというもの自体、非常に多種多様ですし、これが正解というのもないと思います。

相性の合う合わないももちろんあるとは思いますが、明らかに役立ったカウンセリングと役に立たなかったカウンセリングがありました。

その特徴をいくつかあげていきたいと思います。

✖️役に立たなかったカウンセリング
場所:医療機関
内容:自分のケースの話や、説教をするカウンセリング
費用:保険診療で4000円前後/1時間

日本のカウンセリングのほとんどは自費診療で、健康保険ではないのですが、そこはなぜか健康保険診療でした。
精神科クリニックのオプションみたいな感じのカウンセリングでした。

カウンセラーさんは複数いらっしゃるようでしたが、若い女性のカウンセラーさんで、臨床心理士の方のようでした。

まずは、自分の話をしてみました。
自分の親の話、ネグレクト、人とのコミュニケーション話など。

話を聴きながら、カウンセラーさんが
「それぐらいはみんなありますよね」
「うーん、それは甘えじゃないですか」
など、だんだん、説教っぽくなってきました。

その後、自分のケースの話をしたり、
もっと辛い人はたくさんいるなど、
おおよそ、カウンセリングとは程遠いものでした。

✖️役に立たなかったカウンセリング
場所:医療機関・精神科デイケア
内容:さまざまなワーク
費用:保険診療で3000円弱/6時間

こちらも、医療機関です。
健康保険診療でした。

デイケアと呼ばれる、さまざまなワークが各部屋で開かれており
自分が希望する内容が行われている部屋にいって、ワークを受けます。

内容は、オープンカウンセリング、絵を描くアートワーク、体操ワークなどです。

はじめは、学校みたいで面白いなと思いました。
いろんな人が来ていて、なかには毎日来ているような人もいました。

ただ、そのなかで、あれ?と思ったのが
いわゆる生活保護を受けていらっしゃり、
それの継続申請に必要だからということで来ている方も
結構、いらっしゃいました。

うつ病であるという診断と、それの回復に向けて活動しているという
実態がないと、どうも生活保護自体が継続できないようで
それ自体は特に問題ではないのですが

彼らの一人が「大人の幼稚園だ」とのことで
ACや鬱を回復しようとして通っているというよりは
時間を潰し、安い料金の食堂で食事をするために来ている
という方も少なくなかったのです。

するとワークもどこか真剣ではなく
講師や先生の方々はかなり一生懸命だったように記憶していますが
全体的に、けだるい、中弛みした雰囲気があったのです。
彼らは治ると困ります。治らないほうが都合がよかったのです。
なぜなら、うつ病が治ってしまうと働かなくてはいけなくなるからです。

制度という枠組みの中では、仕方がないかもしれませんが
カウンセラーだけでなく、その場の雰囲気というか、参加者の意識も要素として大きいと思いました。

数ヶ月通いましたが、ここは自分の居場所ではないと思い、去ることにしました。

✖️役に立たなかったカウンセリング
場所:セミナー会社
内容:自己啓発セミナー
費用:数百万/6年間

時系列的には、これが最初ではあったのですが、一時期、自己啓発セミナー、というのが流行った時代がありました。

自分の殻を破る、とか、行動から性格を変えるとか、
今思うとかなり体育会系の雰囲気がありました。

10代の高校生だった私は、高校に馴染めず、
バイトしたり、人からお金を借りてその自己啓発セミナーに通うという
かなり変わった高校生でした。

そのセミナー会社も、いろんなセミナーがあり
自分を見るセミナー、自分の殻を破るセミナー、リーダーを目指すセミナー、体の癒しや瞑想など。

ここにはまっていた期間は、実は結構長く、年数としては6年ぐらい通っていたかと思います。

支払い総額は数百万円でした。
今思うと、あれは宗教であったように思います。

同調圧力があり、違を唱えると、何が起きているのか、自分に責任をとっていないとか、色々言われます。

ただ、当時から家族とはほとんど会話もせず、友達もいなかった自分にとっては唯一の居場所だったようにも思います。

アダルトチルドレンは、ぬくもりを得られるためなら、なんでもします。
そういう意味では良い教訓になったし、まだ、犯罪に手を染めなかっただけましだとも思います。

アダルトチルドレンはこういうのにハマりやすいと思います。
そのための注意喚起は、していきたいと思っています。

⚪️役に立ったカウンセリング
主催:個人カウンセラー(米国心理学博士)
内容:アダルトチルドレンの為のグループワークショップ
費用:7万円前後

アダルトチルドレンの為の家族再現ドラマ(サイコドラマと呼ばれる)2日間のワークショップを受けました。

このセミナーをされていたのが、西尾和美さん、という方でした。
西尾和美さんは、アダルトチルドレンという言葉を、アメリカのソーシャルワーカー、クラウディアブラックと共に日本に初めて導入した人です。

博士号の学位を持ち、心理学カウンセラーとして、多くを学ばれてきた方でしたが、初めて見た時の風貌は、インディアンのシャーマンみたいな方だな、という印象でした。

服装は至って普通でしたが、セミナー中は、特別な儀式のような雰囲気があるのです。佇まい、立ち振る舞いに静けさと厳しさと優しさがあり、安心してセミナーを受けられました。

「リチュアル」と呼ばれる、セミナーの最後に、花を浮かべた水の入ったボールに手を入れて、これからの自分への決意を表明する時間があったり、自分の内側の気持ちを表現するアートワークなど、五感を使って、自分と関わっていく時間がありました。

そのワークショップの中で特に印象深かったのが、「リプロセスワーク」と呼ばれる、参加者の家族を再現するワークです。
一人の参加者が立候補し、自分の家族状況、特につらかった状況を思い出し、西尾先生が、他の参加者を呼んで、あなた父親役、母親役、など役割を割り振っていきます。

そして、それぞれの耳元で、セリフや言動を指示していきます。
大体の場合、立候補した参加者は泣いてしまうことが多いです。
ただ、それは内側に溜め込んでいたり、凍らせていた感情を外に出し、表現する時間です。

トラウマとなった状況の再現が終わったら、「こうであってほしかった」という自分にとって、理想的な状況を、説明し、また、それぞれ役割をふって、その状況をそれぞれが演じていきます。

この中で、立候補した時だけでなく、演じる側の時も、さまざまな気づきがあったり、癒しがあったりしました。

この話だけで、本当は1つのnoteを書けると思いますが、まずはここまでにしておきたいと思います。

ちなみに西尾先生は今は亡くなられています。西尾先生は生前、後継者の育成にも力をいれていらっしゃいました。ただ、今、ネットを見渡しても、ほとんどこのワークが行われていないことが残念です。

微力ながら、西尾先生と共に私もお手伝いして作成した、自宅でできるリプロセスワークの教材がアマゾンで売られています。

また、私が知る限りで、このリプロセスワークを真剣にされているカウンセラーさんとして、阿部ゆかりさんを推薦したいと思います。阿部さんは北海道でカウンセリングとセミナーをされています。

何度か一緒にお仕事をさせて頂きましたし、私自身も参加する側として、自分を癒すことを助けて頂きました。尊敬するカウンセラーさんです。

阿部ゆかりさんのページ
http://www.fccc.jp/

⚪️役に立ったカウンセリング
主催:社会福祉士
内容:統合失調症を持つ方のための当事者による、当事者のケーススタディ(当事者研究会)
費用:?

これは、アダルトチルドレンとは、少し話が異なります。
統合失調症とは、幻覚を見たりや幻聴を聞いたりする症状をもつ、精神疾患ですが、北海道の浦川ベテルの家という、統合失調症の方の為の支援作業場、住居施設、働かれるレストランやお土産やさんがあります。

ここは、向谷地生良という方が、中心となって、当事者研究会という、
統合失調症者のための、本人よる、幻聴や幻覚、それから引き起こされる問題や、対策などのケース研究会がほぼ毎日のように開かれているのです。

私は、家族が統合失調と診断された為、調べている中で見つけて、これは面白いと直接見にいきました。

驚いたのは、彼らは自分で自分の病名をつけており、生き生きと楽しそうに自分の幻聴や幻覚、妄想などを発表していました。また、日々、ぶつかる抜き差しならない問題にも、みんなで笑いながら、じゃあ次はここを解明してみようというように話をしている姿でした。

とても衝撃的でした。病気、病名は悪いもの、治さないといけないものと思っていますが、彼らは病気を通して人と繋がりあっており、「勝手に治すな病気」みたいなスローガンまで掲げ、非常にユニークでユーモアに溢れていたのです。

こういうアプローチの仕方もあるのか、と思い、自分のケースである、アダルトチルドレンやADHDでもこれってできないかなぁと思いました。

入所を希望しましたが、あなたは自分で生活できると、受け入れてもらえませんでした。自分の病気(?)の軽さを呪いました。笑

これはカウンセリングではないので、かなり話は脱線してしまいましたが、私が言いたいのは、ただの話をすることだけではなく、新しい視点をもって、共に関わる、コミュニティという環境の有意性です。

コミュニティを伴うカウンセリングがすごく支えになるのです。
ベテルの家でも、当事者研究会以外にも、病院と連携しており、理解ある医師の方がそれぞれ個別に相談に乗っていました。(私も乗ってもらいました)

ただ、コミュニティもまた、先の「大人の幼稚園」のようなコミュニティもあり、「自己啓発セミナー」のようなコミュニティもあります。そこは注意が必要だと思います。

アダルトチルドレンの場合、このコミュニティ選びが一番難しい気がします。ともすると依存性を利用され搾取したり、する側になったりしやすいのです。

浦川ベテルの家

当事者研究会の例

https://www.youtube.com/watch?v=nMd0a_uQB-4

⚪️役に立ったカウンセリング
主催:個人
内容:NVC(非暴力コミュニケーション)
費用:6万円前後

これもアダルトチルドレンのカウンセリングとは少しまた離れてしまうのですが、コミュニケーションのオンラインセミナーを受けました。

kokoさんという方です。

きっかけは、私がたまに泊まりにいってるシェアハウスに、親子で住んでいる方がいるのですが、その関わり方が非常に、自由で、尊重しているように見えて、なぜそんな関わり方ができるのか、と聞いたところ、NVCというものを学んだと聴きました。

NVCとはNon Violence Communication=非暴力コミュニケーションというもので、アメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化され、提唱された、自分の内と外に平和をつくるプロセスです。

そのベースとなるのは自己共感。
それをもとにした他者共感があります。

言葉で、共感と言うのは簡単なのですが、意外と共感ってできません。
できていません。ということを、共感するということをしてみて初めてわかりました。

例えば「自分のケースの話をする」というのは共感ではありません。
それは自分の話をしているので、主語が自分になってしまうのです。

他者共感は、あくまで他者が主人公なのです。
言葉で言うと簡単そうに見えるのですが、意外と、自分の場合の話をすることが多いのです。

観察と解釈の違い。これも、わかっているようでわかっていません。

解釈:「あなたはいつも私に批判的だ」
観察:「あなたは今週、3回、私に『君のことはよくわからない』と言った。」

この違い、生活しているとどうしても、解釈側を観察した事実であるという前提で話しがちで、そこから食い違いや、勘違い、すれ違いが起きやすいということに気づきました。

アダルトチルドレンとは直接関係しませんが、ただ、アダルトチルドレンのトラウマ癒しだけだと、なかなか生活パターン、とりわけ、健康的で建設的な人間関係の構築が進みません。

NVCを学んで、それを生活に取り入れる中で、驚くほど、人との関わりがラクなものになりました。

imakoko

まとめ

思いの外、長くなってしまいました。
また、アダルトチルドレンカウンセラーの探し方と銘打っておきながら、カウンセラーとは違う、ワークショップや、支援施設などの紹介になってしまいました。

伝えたいことは、カウンセラーも含めた、コミュニティに広く浅く関わって、自分の支えとなる関わり合いを増やしていくことかなと思います。

そのときに、なるべく一箇所、一人などに偏らず、広く浅く関わって、程よい距離感をもって、関わっていくのが、宗教的、脅迫的、共依存的なコミュニティにハマらないコツだとも思います。




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