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『少子化の根本原因』SNSが、人類を滅ぼす


1.SNSが、少子化を加速させる原理

まず、脳科学の観点から言えば、全ての人間は、"不確実性"を求め、"不確実性"を解消するために生きていると言っても過言ではないと言われております。

そして、SNSと言うのは、ご存知の通り、不確実性の宝庫でありますので、人間の脳にとっては、大好物であると言える訳です。


従来、SNSやインターネットが発達するまでの人類にとっては、情報へのアクセスが容易ではなく、良い学校に行き、良い会社に入り、結婚して、家庭を持つという事自体が、不確実性の塊であった訳です。

しかし、私も含む、デジタルネイティブの世代の若者にとっては、SNSやインターネットの登場により、物心が着いた頃から、ありとあらゆる人々の日々の私生活の情報が、ネット上に溢れた状態でありましたので、そういった情報に、幼い頃から触れている内に、結婚や子育て等、人間生活の各場面自体の不確実性が薄れてしまうという現象が起こってしまうと考えられます。


つまり、現実世界のあらゆる活動について、確実性が高まってしまった事に加え、そして、現実世界での活動に比べ、インターネット上の活動の方が、不確実の解消に掛かるコストも低い事も相まって、我々の脳は、"現実世界の活動よりも、SNSやインターネットの方が価値がある"と認識してしまい、結婚や子育て等の現実世界の活動について、魅力を感じなくなってしまっているという事が起きていると考えられます。


2.対処法

①規制緩和

まずは、規制緩和を行い、現実世界においても、低コストで、様々な経済活動を行える環境を整え、現実世界の方を、SNSよりも魅力があるような世界にする事が、対処法の一つになると思います。


②若者の所得を増やす

そして、若者達の現実世界での活動を阻む最大の要因は、所得の低さである事は間違いないので、あらゆる政策を尽くし、若者の所得を増やす事も、有効な対策の一つであると思います。


③未成年者のSNSの利用を禁止する

最後に、未成年者をSNSから遠ざけ、結婚や子育てに対する新鮮味を損なわせないというやり方も、一定程度有効であると思います。

また、未成年者が、SNSを利用する事については、学力の低下やメンタルヘルスの悪化等、様々な悪影響が指摘されており、そういった側面から見ても、各プラットフォームに年齢認証を義務付けたり、学校での啓蒙活動を行ったりして、原則として、未成年者のSNS利用を禁ずる事という政策は、有意義なのではないかと思っております。

ちなみに、"SNSが、子供のメンタルヘルスに与える悪影響"の詳細については、有料記事とはなりますが、過去に投稿しておりますので、宜しければ、下記の記事の方をご購読していただければ幸いです。

しかし、インターネットというのは、学習を行う上では、非常な有効なツールである訳で、実際、多数のテキストを購入し、逐一それを参照するよりも、インターネットで答えを検索した方が、遥かに時間効率も高いですし、より詳細な返答も得られるので、有益であると思っております。

その他にも、今後は、あらゆる産業において、AIIT技術の導入が一般的になる事が予想されており、子供の内に、ブラインドタッチやインターネットの活用法等を体得しておく事は、将来の収入に繋がると言える側面もある事から、個人的には、本対処法は、実施するデメリットも大きいのではないかと思っております。


3.だからこそ、若者の所得を高める政策が重要である

また、強い魅力により、人類を結婚や子育てから遠ざける要因としては、何も、SNSに限った話ではなく、アニメ、漫画、ゲーム等の様々な娯楽も挙げられる訳です。

なので、総合的に考え、これまでの世代に比べ、デジタルネイティブ世代にとっては、結婚や子育てに対するインセンティブが少なく、心理的なハードルが高いと言えるため、尚更、若者の所得を向上させる政策が重要になってくるという事が出来るでしょう。

仮に、インセンティブが少なく、心理的なハードルが低くとも、お金に余裕があるのであれば、結婚や子育てに、チャレンジする者は増える事は、間違いないと言えると思っております。


ですから、考え得る少子化対策としては、若い未婚者に対し、何らかしらの公的支援を打ち、その実質的な所得を、昔の若者よりも、向上させる必要があると言うことです。

そして、そのためには、過去のnoteにおいても、度々言及している通り、消費税や社会保険料の増税や、高齢者の社会保障費の削減によって予算を捻出し、若い未婚者の所得に還元するというやり方が有効であると思っております。


まとめ.

つまり、皮肉な事に、思想の自由が保障されているような国々においては、基本的には、少子化が止まる事は無いという事です。

そういう意味では、中国ロシアにおいても、政治的には独裁体制を執っているものの、ある程度、国民が、自由にSNSを利用出来る環境は整っているため、本質的には、思想の自由が保障されていると考えられます。

なので、今後、出生率が増えるとしたら、イスラム教やその他宗教こそが真理であると考える信徒の方々か、あるいは、財政的な制約で、SNSに触れる事が出来ないアフリカ諸国やその他各部族の方々こそが、主体になる可能性が高いのではないかと考えております。


しかし、仮に、SNSの普及によって、現代人が、"結婚や子育ては、無価値である"という価値観を持つ事が一般的になっているとしても、現時点でも、10代~20代で、結婚や子育てを行っている若者は、一定数存在する訳です。

なので、少子化に関する政治の基本方針というのは、個人的には、少子化対策に重点を置くのではなく、既に生まれている子供に対し、支援を充実させるという事に重点を置くべきで、子供一人当たりの占める富を高める事こそが、経済成長に繋がるのではないかと考えております。


最後に、私は、以上の内容を踏まえ、結婚や子育てというのは、人それぞれの価値観によって、行われるものであると思っております。

そう考えれば、戦後の世代にとっては、"結婚や子育ては当たり前"という価値観が一般的であった訳ですが、様々な要因によって、現代の若者にとっては、"結婚や子育ては当たり前ではない"という価値観が一般的である訳です。

そして、それを捻じ曲げるためには、ロシアや中国以上の独裁国家になる必要がある訳で、それによって生じる様々なデメリットを鑑みれば、全く以て、得策であるとは言えず、現実的でもありません。


ですから、今の日本政府に求められる事は、"少子化が改善する"という前提で、現行の社会保障制度等の社会制度を運用し続けるのではなく"少子化は改善しない"という前提に立ち、社会制度を改革するという現実的な判断と対処を実施する事であると思っております。


参考文献.

・脳の本質 いかにしてヒトは知性を獲得するか (中公新書)


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