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良きもの

新しいものは良い。
古いものは良い。

ってか
新しかろうが
古かろうが

良いものは良い。

そんな価値観を大切に生きていきたい。

良いものは良いんですよ。

ええ。

何事もですね。

新しいから…
古いものだから…

いやいや、何であろうと良いものは良い。

そんな自分軸を大切に。

良いものは良いんです。

新しかろうが
古かろうが

良いものは良い。

今回は

どっぷり温故知新といこうではないか…。


「椿三十郎」


黒澤明監督作品
「椿三十郎」



椿三十郎役 三船敏郎
画像引用元:Wikipediaより

1962(昭和37)年1月1日公開。

監督は黒澤明さん。

主演三船敏郎さん。

いや、もう凄いですね。

その偉大さ。

はっきり言って全然詳しくないんで何とも言えませんが。

今、黒澤明監督の作品がテレビで放映してるんですよ。

明日、大晦日は「七人の侍」を放映するとか。

楽しみにしてるんですよね~。

ええ。

これまでまじまじと見たことなかったんで。

良いですね。

黒澤明監督×主演三船敏郎さん。

なるほど、「世界の…」っと形容されるのには理由があるんですね。

んで、先日放送されてた「椿三十郎」。

2007年には主演織田裕二さんでリメイクされてますね。

過去にちょろっと見た事ある記憶は残ってはいるが、全編を全部みたことがなかったので、腰を据えてしっかりと見てみた。

1962年。

白黒画像。

本編は時間にして90分くらい。

今の映像の方が見やすいとは思う。

んでも、良いものは良い。

ってか凄く良いんですよ。

モノクロ画像で躍動する映画が。

ストーリーが。

俳優さん達が。

生活の生々しさを感じるレトロな生活音が。

カラー画像では感じない、風の凪ぐような音使いが。

現代では感じない息遣い。

音使い。

佇まい。

居住いが。

その全てがものの見事に、黒澤明監督の手腕によって躍動してるんですよね。

カラーを通して見える情報と
白黒画像を通して見える情報。

カラーの方が分かりやすいのか。

いや、その情報の質の違いはある意味自分の「頭」の中でこさえるものなのかもしれない。

「椿は赤が…」
「だから白を流さないといけねえよ。」

椿三十郎のセリフでそんなセリフがある。

これは白の椿か
赤の椿か。

カラーの方がもっと分かりやすい。

ただ、それはカラー画像のある人間の価値観。

白黒で見る「椿」からの情報では、ひょっとしたらそこまで掴めないかも。

いや、目に見えるものを識別しすぎるのもよろしくない。

その楽しみを「白黒画像」が教えてくれてるような気がする。

ええ、画像を通して想像すべきところは、見る側の「創造」する力をかき立ててくれるんですよね。

ちょっとした場面でも。

「椿三十郎」ではないけど、「用心棒」の時に荒れた町に吹き荒ぶ風の様子…

っとか、何かこうどんな感じなんだろうと想像してしまう。

色々な場面で。

三船敏郎と仲代達矢の決闘シーンとか。

カラーだとストレートに情報が頭の中に入ってくるが、白黒だからこそ良いんでしょうね。

そして多分黒澤明監督の撮り方みたいなものもあるのかな。

全く専門的なことは分からないから、どうとは言えないけど。

ええ、モノクロ画像の生かし方が多分スゴイのだろうと。

じゃないとあんなに何もかもが躍動的で、迫力あるものにならないんじゃないかと。

ストーリーは90分ほど。

話のテンポ感も抜群で歯切れが良く、見ていて長さを感じない。

歯切れが良いんですよね。

その歯切れの良さが、三船敏郎の「椿三十郎」の存在感と躍動感を生み、9人の若侍のテンションを生む。

もう演じている役者さん達が最高なんですよ。

三船敏郎
仲代達矢
加山雄三
田中邦衛
小林桂樹
団令子
志村喬…

いや、ホンマに凄いです。

めっぽう腕が立ち、頭も回るが、どこかぶっきらぼうで情に弱い主人公「椿三十郎」を演じる三船敏郎。

敵役でスゴイ目力をみせる仲代達矢。

若侍役で躍動する加山雄三や田中邦衛。

もう生き生きさ加減がハンパないんすよね。

単純に現代では感じられない役に対する重みというか、重厚感を感じるというか。

多分ではあるが、カラーより一つ一つの所作が白黒のほうが際立ちにくいのもあるのではなかろうかと。

その分、「伝えよう」という思いが細部に宿っているのではなかろうかと。

今がそうじゃないと言ってるわけではない。

その「伝えよう」という力のベクトルが多分違うんでしょうね。

「目力」

それは映像をパッと見た時に、一番最初に情報として入ってくるものかもしれない。

ええ、役者さんの「眼力」がスゴイ気がするんですよね。

特に加山雄三や、仲代達矢に田中邦衛。

役に対する本気度か。

白黒画像で、印象を少しでも残すための役者としてのものなのか。

それが躍動感と生命感を生んでいるんですね。

うん。

テンポの良さに役者さんの演じる間。

そして一人一人の存在感が独特の、作品の「躍動感」を生んでいる。

その「躍動感」がMAXとなるのが、伝説のラストシーンか。

三船敏郎対仲代達矢の決闘シーン。

いや、凄い見応えですよね(^^)/

よく出来たシーンだなと思い、見返してると多分ではあるが二人の演者の細部に宿ったこだわりを見た気がする。

二人とも抜刀するまでのあいだ、一切のまばたきをしていないことだ。

命を賭けた決闘シーン。

それは緊迫した戦いの場。

居合切りの一瞬。

その瞬間にまばたきをしてしまう侍なんていないでしょうね。

多分その緊迫感を表現したかったのかなと。

娯楽とはいえ、細部にまでこだわったのだろうと。

個人的に斬られた後の仲代達矢の倒れ方とか秀逸だと思ったり。

見事に剣道風に言うならば「残心」を残しながら、倒れたのではなかろうかと。

ええ、見事です。

そして決闘シーンの最初では小虫が飛んでいるのが伺える。

季節は椿が咲く季節。

なので虫が飛んでいてもおかしくない。

確か「たそがれ清兵衛」のラストの決闘シーンでも、虫が飛んでいる音とか入ってたような。

血なまぐさい決闘でのそのような演出。

そこには一つのリアルな命のやりとりを生みますよね。

現実的な世界感の先に、非現実的な決闘シーン。

別個のものではなく、その現実は「地続き」のものであると表現したかった。

季節感を現すように、小虫が飛ぶ…。

そのリアルさがより、決闘の「リアルさ」を演出するというか。

そんな効果がありますよね。

ちなみに見ていると、決闘シーンが終ると小虫は飛んでなかったように思われる。

違うかもですが。

多分ラストの椿三十郎のセリフシーンと、9人の若侍との別れを映像的にキレイに撮りたかったんでしょうね。

なので、そういった細かいこだわりが散りばめられたラストシーンは、凄く印象に残りますね。

ええ、ラストの椿三十郎のセリフ「あばよ!」っがめっちゃ頭に残ってるんすよね。

本当に面白い映画だったな~。

明日の「七人の侍」が楽しみだ。

古かろうが
新しかろうが

良いものは良い。

間違いない。

そういえば、話が全くそれるが、美空ひばりさんの1988年に行われた東京ドームでのコンサートも放送してたな。

それも良かったな~。

確かとてもステージに立てる体調ではなかったという話を耳にした。

いや、普通に凄い。

歌声は艶やかに。

何より歌に感情を込める所作が素晴らしい。

一つ一つの動きに感情が籠っている。

細かいディティールに魂が宿っている…。

見ていて本当にグッとくる。

良いものは良い。

ってか「昭和」ってなんか良いですね。

懐古主義ではない。

「良いものは良い」

もうすぐ一年が終る。

この年の瀬は美空ひばりさんで「川の流れのように」を。

今年も皆様お疲れ様でした!
来年も良い一年であるように。









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