食べ物を捨てるということ。
フードロスという言葉。
現代ではもう聞き慣れていますけれど、
今いちどそれを想像してみてほしいなと思います。
私の職場では農産物の他にその街のお店の手作りお弁当やパンや焼き菓子が余ると閉店後捨てなきゃいけないものがたくさんあります。
夕方前になると金額は落としたりするものもあり、落とさないのもあります。
みんな添加物なしで素材にこだわった質の良い食品ばかりです。
それを捨てる行為はとても心苦しいのです。
仕事に慣れ、きっとその心苦しさも最初だけなんだろう。
否そんなことないです。
私は毎日心が痛みます。
けれど多くの人はそれに慣れてきます。
でもそれって慣れちゃいけないことな気がします。
上手い下手ではなく、私はお料理することが好きです。
子どもにも食育は大切に教えています。
息子はご飯を食べる時は家でも外でもきちんと手を合わせてから食べます。
命をいただくからいただきますなんだよ。
そうやって私が子どもの頃教わったことを私も息子に教えました。
先日職場で、無添加で素材にこだわった可愛くあしらったベーグルが6個もゴミ箱にあったことにびっくりして思わずゴミ箱から拾いました。
6日前のベーグル。賞味期限が切れて冷蔵庫にあったものが誰も食べないから捨てられていました。
休憩中だったのと、ゴミ箱の中にベーグルしかなかったので私はそれを一つ食べました。
きっと多くの人はその行動に「えっ、やば」とか「異常」とか思うと思います。
でもいいんです。
実際食べても何も問題なく美味しく食べられるから。
なんら体に悪くない。
なんなら添加物だらけの食品の方が身体に悪い。
添加物だらけの食品は腐りにくく見た目が悪くなりにくいから賞味期限も長いけれど。
否、添加物の多い少ないの問題でもない。
食べられる食べ物を捨てるという行為を今いちどどういうことか考えてほしいと思います。
自分が心を込めて作った食べ物が捨てられるって悲しくないですか?
野菜もそう。
数年前に、知り合いの農家さんから連絡があって、今年のツマ用の大根が2000本廃棄になるから知り合いに連絡して配ってもらったりしてるからもらってくれないかということでした。
注文のかかったところからキャンセルがあったらしい。
2000本ですよ。
お弁当でも大根でも同じ食べ物です。
お弁当2000個だと少しはもったいないと思うかな。
私はそのツマ用の大根を車にたくさん乗せて知り合いに配りまくりました。
みんな勿体ないと言う。
でも本当に思っていたら捨てる文化になってないと思います。
日本中のフードロスで捨てる食品を100円でもいいから売ってくれないかな。
10円でもただでもいい。
自己責任でさ。
ていうか、世の中のフードロスの食品はほとんど問題なく食べられますからね。
大学生の一人暮らしのことかは喜ばないかな。
野菜もお弁当も焼き菓子もみんなみんな、
作ってる人も捨てることに麻痺してきてるところもあるんじゃないかな。
昨日はたくさんの手作り弁当が捨てられました。
これ、捨てるなら全部持って帰って肥料にしたいよ、とパートさんと話してました。
以前働いていた少量多品目の農家さんは、規格外の崩れた野菜を分けてくれたけど、それでも余ってしまうものはやはり捨てていた。
無人でも安く直売にすれば受容は必ずあると思うのにやってみなきゃわからない。
形が悪いとか少しの傷で捨ててしまうことに慣れている。
作る側も捨てることに慣れてしまっていて、
食べる側も無駄に賞味期限や見た目の情報で捨てることに慣れている。
日数の経った野菜は天日干ししてチップにすれば美味しいよ。
乾ききる前にそれを糠(ぬか)に漬ければお新香になるよ。
捨てるのは勿体ないね。
先日、低農薬の白菜を作っていて虫食いのクレームで残りの35個の白菜を全て持ち帰ってくれとお店から言われた農家のおばあちゃんがそう言っていた。
白菜やいろんなお野菜を作っている農家さんです。
昔の人は捨てることを勿体ないといって再利用をする気持ちが基本的に備わっている。
だから干したり漬けたりすることをして命をきちんといただくんだろう。
白菜でもなんでも、腰を痛めながら暑い時も寒い時も日本の安い農業の賃金で一生懸命大切に育てている。
そんなことを目の当たりにしたら、世の中の食べられるのに捨てられる命たちに胸が苦しくなる。
綺麗なものを好み、きれいじゃなくなったものを簡単にダメなものとする文化。
きっと日本て昔むかしは正反対だったはず。
食べ物も使う物も自然も人間も大切に出来る日本の文化が戻りますように。
PS
昨日の捨てられるはずの無添加ドーナツを一つもらって帰宅前にコーヒーをコンビニで買ってひと息つきながら頂きました。
そのもらう行為でさえ毎日となるとパートさんたちの間では図々しいような印象を与える行為になり兼ねない風潮の職場です。そういうことじゃなくてさ、意識変わってほしいです。