魂の螺旋ダンス(28)朝家のための念仏とは
・朝家のための念仏とは
建長八年、親鸞八四歳の頃に性信に送った消息の中に「朝家の御ため、国民のために、念仏まふしあはせたまひさふらはば、めでたくさふらふべし」がある。
この文言は戦時教学において、徹底的に悪用された。
朝廷を中心とした国家の安穏のために念仏をするべしという教えが巨大な真宗教団によって広められた。
折りしも、東西両本願寺を代表する学僧たちは、あろうことか、阿弥陀仏と天皇を重ね合わせて見る思想を開陳しはじめた。
著名な学僧の殆ど悉くがである。