魂の螺旋ダンス 改訂増補版 (13) 超越性宗教の誕生へ
第3章 超越性宗教
・ 超越性宗教の誕生へ
二章で見てきたように、部族シャーマニズムの有していた「聖なるものへの個的で直接的な回路」は、国家宗教によって抑圧されていった。
「書かれた民族神話」によって王権が正統化され、祭司が宗教的権威を独占していった。
もはや個人が直接的に聖なるものにつながることは許されない。
もし自分はそうできると主張するなら、邪教によって人心を惑わすものとして弾圧され、それでも妥協しなければ死が待っている場合すらあった。
国家による処刑である。
多