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【写真】高千穂神楽 (高千穂の夜神楽)

 宮崎市から、高千穂。

 高千穂神社・神楽殿へ。



高千穂神社境内の神楽殿で毎晩20時から奉納

 通常はそれぞれの集落が、「夜を徹して、33番ある神楽を奉納する」のが高千穂神楽。

毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、
町内約二十の集落で夜通し奉納される「高千穂の夜神楽」


夜神楽とは、里ごとに氏神(うじがみ)様を神楽宿と呼ばれる民家や公民館にお招きし、夜を徹して三十三番の神楽を一晩かけて奉納する、昔から受け継がれてきた神事です。
例祭日(れいさいび)は集落によって異なり、毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、町内約二十の集落で奉納されます。

 ここ高千穂神社境内の神楽殿では、毎晩20~21時に「高千穂神楽」が上演される。

「浅ケ部神楽保存会」の夜神楽を鑑賞

 この日の公演は、「浅ケ部(あさかべ)神楽保存会」によるもの。

 奉納されるのは、全33番のなかの4番「手力雄(たぢからお)の舞」「鈿女(うずめ)の舞」「戸取(ととり)の舞」「御神体(ごしんたい)の舞」だ。

 さきに紹介したウェブサイトの言葉を借りれば、

「手力雄(たぢからお)の舞」→天照大神を見つけ出す
「鈿女(うずめ)の舞」→天岩戸より誘い出す
「戸取(ととり)の舞」→天岩戸を開く勇壮な舞
「御神体(ごしんたい)の舞」→二神による国造りの舞

 入門編としても、とてもわかりやすい。


「手力雄(たぢからお)の舞」

 手力雄命(たぢからおのみこと)が、天照大神が隠れてしまった岩戸を探し当てる。ダイナミックで勇壮な舞だ。


「鈿女(うずめ)の舞」

 天照大神を誘い出すために天宇受売命(アメノウズメ)が面白おかしく待って、八百万の神々を沸かせた、という有名なシーンの舞。

 『古事記』の描写などからすれば、こんなものではないだろうというくらい大胆なものだったと思うのだけど、神楽的な表現?ということで、美しい舞を愉しむことにする。

「戸取(ととり)の舞」


そしていよいよ。

 手力雄命が岩戸を取り除いて、天照大神を迎え出すくだりに。

 何度か失敗しながら、

 ついに岩戸を取り除く。


「御神体(ごしんたい)の舞」


 時系列でつながっていたのはここまでで、最後は、伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)二神による国産みの舞が奉納される。

 伊邪那岐命が「みそぎ」を行った際に生まれたのが天照大神ですから、時代的にはさかのぼることに。

 「みそぎ」を行ったとされる「みそぎ池」はこちらに↓


「御神体(ごしんたい)の舞」の前には、ちょっとした解説があり、神様がそばにいらっしゃるとか、幸運を呼ぶとか何とか?

 さて、伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)は、仲睦まじく国造りをしている・・・のだが、

 あらら?

 伊邪那岐命(イザナギノミコト)は客席のなかの美女、伊邪那美命(イザナミノミコト)はイケメンをめざして、降臨してくるのだった。

 それを見て、相方が「どういうこと!」と詰め寄り、

 パーンと(犠牲になった美女、イケメン含めて)たたかれる(というか自分の手の甲をたたいて音は出す)。

 こんな、コントのような展開が交互に繰り返された。

 で、こんな2柱の神様がどうなったかといえば、

 さいごは、仲良く、ハッピーエンド。

伝統と親しみやすさと

 そんなふうに毎年一晩かけて奉納されている夜神楽の雰囲気を、追体験することができた。

 会場の壁には、思わずその世界に吸い込まれそうな、こんな絵画たちも。

 そこには、脈々と受け継がれている伝統が、人々の生活の生活の一部となり、一緒に年を重ねている気配があった。



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