引用,その引力 -飯田美穂「m, △, 連続体」(-1/9)@京都 蔦屋書店
年末に関西を訪れた際に鑑賞して、ふと思い出しては気になっている展覧会があった。
展示は終わってしまっているけれど、ここに。
アーティスト・飯田美穂 個展「m, △, 連続体」@京都 蔦屋書店(2023年12/23-2024年1/9)
既視感と「なぜか気になる」
作品は、例えば、このような聖母像であったり、
このようなポージングの兎であったり、
目は、まるで漫画のように点で描かれているけれど、作品のたたずまいから、「あえてやっている感」が強烈に漂ってきて、目が離せなくなる。
それに加えて「あれ、どこかで?」といった既視感。
呼び起される記憶
毎日見ている膨大な情報のなかには、数々の聖母像であるとか、ときに西洋絵画に描かれた吊るされた兎(静物画によくあるポーズだという)は、わたしたちの脳に紛れ込んでいるはずだ。
それがあるとき、このようにシンプルな姿にかたちを変えて再びインプットされたとき、なんともいえないふしぎな気持ちに誘われるのだろう。
作家の言葉に耳を傾ける
加えて、作家による、ちょっと謎めいたステートメント。
ああ、鑑賞者とのコミュニケーションを愉しんでいるんだなと感じる。
妄想力にも近いような想像力を働かせれば、アート鑑賞とは、なんと奥深くて愉快なものなのだろうかと。
もちろんアーティストの意図には、程遠いのだろうけれど。
今写真を整理していて、鑑賞したときの愉しさが再び、よみがえってきている。