硬さとぬくもり -鈴木由衣[琥珀ロープ]@OIL by 美術手帖ギャラリー(渋谷PARCO)-11/6
鈴木由衣「琥珀ロープ」@OIL by 美術手帖ギャラリー(渋谷PARCO) -11/6
絵画、
スペース中央には大きめの陶芸作品、
壁に作り付けられた棚には、掌に乗るサイズの陶芸、が並ぶ。
絵画。生命と人の営み
自然のなかの小さな生命たち。食物連鎖? 強さと弱さの序列。そのなかで生きる人間と、人魚のような物語世界の登場人物。もしかしたら作家の世界では、すべてが共存しているのかもしれないけれど。
1枚の絵の中に物語が入れ子のように入っていて、じっと見たならば、そこに引き込まれてしまいそうな引力のようなものを感じた。
硬い壺から感じるぬくもり
通りがかりの人がふと足を止めてしまうのは、やはりこれらの壺たちだと思う。
硬い壺たちからは、ぬくもりがあふれている。
見た目の質感と、実際の質感をずらすことの妙味、については、さまざまなアーティストが、さまざまな形でアプローチしているけれど、
ここの作品たちは、信楽という歴史と伝統をゆるやかに纏いながら、素朴さとあたたかさを放ち続けているようだ。
そして小さきものたち
小さなものたちも、ユーモラスに存在感を放っていた。
「琥珀ロープ」とは
そして概要を改めて読めば、謎かけのような「琥珀ロープ」という言葉は、鑑賞者の心に落ちて、徐々にその意味が溶け出してゆくもののようだ。
アートを買う、も間近かも
ところで本展に惹かれたのは、この案内のポストカードで、
実際の作品はこちらだ。
プライスリストを見て、ポストカードに「29万7000円」と書いた。
アートを観ていると、ふと、それが自分の生活のなかにあることを想像してしまう作品と出逢う。今までに何度もそれがあり、今回もそうだ。
たぶん、それを買う、買わないというのは紙一重のことであり、いつか、なにかの勢いで購入することになるのだろう。
そんな予感も持ちつつ、作品たちが放つ、豊かな自然と幸福なオーラの残り香を纏わせていただいて、帰路に。
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