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UNISON SQUARE GARDENがたどり着いた「アナザーワールドエンド」とは?

UNISON SQUARE GARDENの新曲「アナザーワールドエンド」が良いぞ!
歌詞が、先日の結成20周年武道館で多くのファンを感動させた田淵のMCまんまじゃないですか。

そんな「アナザーワールドエンド」の感想と、歌詞から「アナザーワールド」との関連性を強く感じたので、2曲を紐解いたら面白そうだと思ってつらつらと綴りました。


🔹2曲の比較

🔸アナザーワールド
2006年発売、インディーズ1作目ミニアルバム「新世界ノート」の1曲目に収録。

「“SUB MACHINE, BEST MACHINE” museum」にて

🔸アナザーワールドエンド
2024年発売、ベストアルバム「SUB MACHINE, BEST MACHINE」に収録の最新曲。

「“SUB MACHINE, BEST MACHINE” museum」にて

🔹AI文章要約

歌詞の特徴を抽出するため、ユーザーローカル社のテキストマイニングツールを使用して要約しました。

🔸アナザーワールド

感情や幻想的な世界観を描いた詩的な表現が特徴的です。
 
1. **秋の星座と幻の気持ち**:
詩は、秋の星座のような美しさと、浮かぶ気持ちが幻であることを示唆しています。「浮かぶこんな気持ちは、幻」。
 
2. **アナザーワールド**:
物語の舞台は「アナザーワールド」であり、現実からの逃避や新しい世界への期待が表現されています。「吐き出すその場所は アナザーワールド」。
 
3. **旅人としての存在**:
主人公は「時を止めた旅人」として、現実と夢の狭間を行き来し、喜びと悲しみを抱えています。「現実は何だ 臨む 喜びを一つ 悲しみを一つ」。
 
4. **新しい出会いと感情の変化**:
新しい世界への期待と、未知の誰かとの出会いが描かれています。
「まだ僕が知らない誰かが待ってる ハロー」。
 
5. **感情の雨と共鳴の花**:
感情の雨を抜け、新しい世界の美しさを感じながら、過去の優しい想いを忘れ、新たな旅立ちを決意しています。「優しい想いを全部 忘れられた答えを全部 ハロー」。

全体として、詩は新しい世界への期待や感情の変化、過去との決別をテーマにした幻想的な旅を描いています。

幻想的な世界観」「新しい世界への期待」というのがキーワードですね。

🔸アナザーワールドエンド

詩的な表現を用いた歌詞のような内容で、感情や思いを描写しています。
 
1. **感情の共有**:
「どれだけ嬉しかったかわからない」「これは僕たちだけのもの」と、特別な瞬間や関係の大切さを表現しています。
 
2. **日常の描写**:
「欠けた月と無垢な街灯」「雑な日常」と、日常生活の中での小さな幸せや美しさを感じ取っています。
 
3. **音楽の力**:
「ああ歌が街を包んで」「みんな幸せになるなんて」と、音楽が人々を結びつける力を持っていることを示唆しています。
 
4. **内面的な葛藤**:
「戦うことは傷を負うことだよ」「それでも僕ら」と、困難や痛みを抱えながらも前に進む姿勢を表現しています。
 
5. **未来への希望**:
「気づくのは今日じゃなくて明日じゃなくて」「もっと先かも」と、未来に対する期待や希望を持ちながら、今を生きることの重要性を強調しています。

全体として、愛や友情、日常の美しさ、音楽の力、内面的な葛藤、未来への希望が織り交ぜられた感情豊かな作品です。

感情や思いを描写」「感情豊かな作品」というのがキーワードです。とにかく感情豊かでストレートに描かれている。

🔹テキストマイニングによる比較

同ツールで、テキストマイニングして視覚的に特徴を見てみます。

テキストマイニング:
重要度(スコア)が高い単語を選出して視覚的に見せる。一般的な文書ではあまり出現しないが、調査対象の文書だけによく出現する単語を重視。
青が名詞、赤が動詞、緑が形容詞、灰色が感動詞。

🔸アナザーワールド

旅人、共鳴、ため息、うつむく、吐き出す、染まる、昇る、つなぐ、などノスタルジックなワードが目立ちます。全般的にふんわりしている。

🔸アナザーワールドエンド

潰える、くすむ、通り過ぎるなどマイナスのワードもありますが、君の声、引力、結びつく、灯る、温めるなどプラスのワードも目立つ。言葉に力強さや意思を感じます。

🔹「アナザーワールド」から「アナザーワールドエンド」へ

アナザーワールドエンドに佇む3人?(勝手なイメージ)
「“SUB MACHINE, BEST MACHINE” museum」にて

「アナザーワールド」では、幻想的できれいな理想を求めているけれど、「アナザーワールドエンド」では、歩んできた現実をストレートな感情で語っています。

知らない誰かに届くよう理想を抱いて歩き出したけど、みんなが歌で幸せになるアナザーワールドはなかった。
戦って傷ついてきたけど、君の声が嬉しかった。心と体が覚えている解析できない想い、それはきっと幸せ。だから君のいる世界(アナザーワールドエンド)でもう少し歩くよ。

2曲を通してそんな変化を感じます。

「アナザーワールドエンド」を2つの意味で解釈しました。

01. 理想だったアナザーワールドはendに。これからは君だけがいる世界へ。

02. endには場所の「端」「外れ」という意味もある。アナザーワールドの果て=君がいる世界の端っこ(ひとつずつ増える見覚えのある街)へ。


大志を抱いた少年が広い世界を目指したけれど、紆余曲折を経て行き着いたところは僕と君だけの幸せな世界だったという真実。なんだかおとぎ話のようです。今、ここからまた新たな世界が始まる音が聞こえてきそう。

最初は「まだ僕が知らない誰か」に届きたかったけど、今は「君」だけでいい。この真実にたどり着いたユニゾンが、ユニゾンらしくていいなぁと思います。

20周年記念ということで、出血大サービスの歌詞。ファンにわかりやすく伝えてくれているのだろうけど、最新の田淵だからこそと感じる描写もあってお気に入りです。(後で書きます。)
ユニゾンの歴史と成長と愛情を感じて、なんとも愛しい1曲。

宏介はラジオで、ファンとの「秘密の曲」「素直に届いて欲しい」と話していましたが、みんな素直に受け取っていることだろう。

まとめ:
アナザーワールドエンド⇒たどり着いた君と僕だけの現実世界
アナザーワールド⇒見知らぬ誰かが待っている理想の世界

<行きついた先、たどり着けると信じた世界>

イメージこんな感じ?

🔹「アナザーワールドエンド」について

🔸the pillows「この世の果てまで」

the pillowsに「この世の果てまで」という名曲があります。「アナザーワールドエンド」という単語から、なんとなく「この世の果てまで」を連想しました。歌い出しが「聴こえてくるのはキミの声 それ以外はいらなくなってた」ですし。

武道館の田淵MCは、the pillows20周年武道館でのさわおさんMC(「僕達は音楽の才能がある」)にインスパイアされた説があります。
もしかして「アナザーワールドエンド」も、大好きなピロウズの名曲を意識した可能性があるのかもしれないな、と妄想。この曲に限らず、田淵からはさわおイズムが随所に感じられますが。

ライブでは、さわおさんが前口上で「連れてってやる、この世の果てまで!」とシャウトするのがエモいのです。
斎藤宏介に「連れてってやる、アナザーワールドエンドへ!」って言われたらおもろいだろうなぁ〜〜〜(妄想)

🔸パンドラの声

「くすんだパンドラの声 どれだけ嬉しかったかわからない」という歌詞。君をパンドラに例えている。田淵の歌詞には女性を表現する名称が多々登場します。

たとえば、サンディ、デイジー、フローリア、Friday、エイドリアン、テールライト、マーメイド、ティンカーベル、ラズベリー。あとTHE KEBABSではメリージェーンもいますね。でも、パンドラはチョイスが不思議です。

パンドラ(wikiより)
ギリシア神話に登場する人類最初の女性。神々によって作られ人類の災いとして地上に送り込まれた。

パンドラと言えばセットで「箱」が連想されます。「パンドラの箱」は、「災いを引き起こす原因」の故事成語。「開けてはいけない」という言いつけを破り、好奇心から箱を開けてしまったパンドラ。
すると箱の中から、考えうるすべての災い(犯罪・病気・不幸など)が飛び出し、以後人間は災いとともに生きていくこととなりました。

だからパンドラと聞くと良いイメージがない。なのになぜパンドラ?
「パンドラの箱」の意味を改めて調べてみたら、パンドラが慌てて箱を閉めたところ、箱の中には「希望」だけが取り残された、というエピソードがありました。

もしかしてパンドラ=残った希望、という意味が込められているのだろうか。傷もたくさん負ったけど、希望は残った。「君だけでいいや」っていう希望。だとしたら、パンドラのチョイスもわかる気がします。

🔸後ろから見ていてくれたのは「Miss.テールライト」?

同じく名前で気になっていたのが「夏影テールライト」に出て来る「Miss.テールライト」です。どうしてテールライトなのだろう?ヘッドライトではダメなのか?という素朴な疑問。
ヘッドライトだと語感がよくないけどさ。夏だし、蛍(テールライト)から連想したのかなぁとなんとなく解釈していました。

武道館の田淵MCで引っかかったのが、「君がずっと後ろから見ていてくれた」というセリフです。"前を向けず後ろを向いたら君がいた"ということなので、「後ろから」なのだろう。

"後ろ"から連想したのがテールライトです。もしかして、後ろから見ていてくれた君=Miss.テールライトなのだろうか。後ろからささやかな光で照らしてくれる、そっと見守っているみたいなイメージ。
「くすんだパンドラの声」の「くすんだ」とういうマイナスイメージの形容詞も、同じようなニュアンス(目立たない声)なのだろうか。

2020年発売の「夏影テールライト」は、もしかして前を向けなかった時期なのかもしれません。全体的に主人公の弱気が感じられます。
「かっこわるくて誰にも見せられない 諦めはつかない」「全然気丈なんかではないから帳尻を合わせなきゃ」と。

でも、Miss.テールライトのおかげで「今たどり着けると信じた  間違いにしないでよね」と確信を得ています。信じた通り、幸せなアナザーワールドエンドにたどり着いて良かったのではないかな、と勝手に解釈します。

🔸鼓膜を超えて心臓まで届くなにか

ああ目には見えなくても
言葉で説明なんて できなくても
そこにあることで そこにあることで
命を温める確かな音
ああボリュームを上げてくれ
鼓膜を超えて心臓まで届くなにか

https://www.uta-net.com/song/357649/

「生きてほしい!」「命が終わるかよ 甘えるな」という直接的な言い回しとは違って、"君の命を温める僕らの音楽、心臓まで届くなにかを、ボリュームを上げて感じて欲しい"という祈りのような願いがとても刺さりました。

この数行に音楽の本質が詰まっているように思います。言葉で簡単に説明できないけど、音楽は耳だけでなく心にも届いてその人の生きる糧になる。

20周年のファンサということもあるだろうけど、今の田淵だからこそ、真っすぐで優しい表現が出てきたのかなと思って、一番のお気に入り箇所です。

🔸メロディーが好き

と、歌詞についてさんざん語ってきましたが、まず何といってもメロディーが大好きです。特にBメロが美しくて、初めて聞いた時に涙が出ました。星空の下で聞いているような、神秘とスケールの大きさを感じます。

聞く前に「壮大なロックバラード」だとラジオや雑誌で知りましたが、想像以上に壮大なロックバラードだった。私は武道館の後に「アナザーワールドエンド」を聞きましたが、その前に聞いていたら、田淵のMCの後に披露して欲しいと思ったかもしれない。

オーケストラとやっても素敵だろう。「アンドロメダ」並みのインパクトがありそうです。だからまたオーケストラと一緒にやってくれていいよ?(言うだけタダ)

🔸ミュージックビデオ

一番高いやつ2万円BOX

「SUB MACHINE, BEST MACHINE」の一番高いverのBOXに「アナザーワールドエンド」のMVが収録されています。今年下北沢Queで行われた「“流星前夜 -rebirth-”」の終了後、空っぽのライブハウスで収録された映像。
本編のお客さんの様子や、Queの店長さんやローディーさんとメンバーが会話している様子も良き。

それも良かったのですが、「センチメンタルピリオド (S.B style)」のMVのように、今までのユニゾンの歴史ダイジェスト映像でも泣けただろうなぁ。走馬灯のようで。

それにしても、ユニゾンの生き様のことを歌っているとは言え、田淵の歌詞をまるで我が真意のように心を込めて歌いこなしている斎藤宏介の姿を見て、つくづくすごいなと改めて思いました。

BOXのライナーノーツによれば、貴雄も普段聞かないタイプの洋楽を聴き漁って研究したとのことで、だからこそ今までのユニゾンの曲にはないダイナミズムを感じるのかもしれません。大サビでエモーショナルに鳴っているギターも、なんだか往年の外タレみたいだし。

本当に不思議で魔法がかった三角形のバンドだな。秋のツアーでライブ初披露となると思うので、とても楽しみです。

🔹「未発表曲」の感想

ベストアルバム「SUB MACHINE, BEST MACHINE」に収録の未発表曲についてはこちらに書きました。




724の記録。


過去から今までの歌詞を眺めてみたよ。


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