青森県でホームレスになった話 2
どうも、ひかりちゃんです。
長い時間、高速バスに揺られ
ようやく目的地
青森県へ到着しました
青森市でも、弘前市でもなく八戸市
小学生時代、シャーマンキングという
漫画を読んだことがあり
話の内容で青森県の恐山という地が
度々登場していたので
恐山という山は知っており
八戸市から恐山へはさほど
距離も遠くないから。
という理由で
目的地を八戸市を選んでいました。
バスセンターへ到着し
初めて目にした青森県は
恐ろしほど寂れており
辺りを見回してみても
日中にも関わらず
人通りはほとんどなく
車もそれほど通っていませんでした。
ひとまずバスセンターと
併設されてあるショッピングモールの
中へ入り、散策することに。
利用客も少なく
新宿での生活では
味わったことのないような
底知れぬ不安と恐怖が
私の心を支配していました。
ゆとりをもって広く設置された
ゲームセンターは
私が幼少期の頃に遊んでいた
15年以上前の古びたゲーム機が
現役で稼働しており
子供用のキャラクター乗り物は
塗装が剥がれ
ぎこちない音を鳴らしていました。
平日の日中ということもあり
利用客は幼児を連れた母親が1組だけ
これこそ
私が求めていたものでした。
時代を忘れさせるほど古びた施設
物悲しさ、哀愁を漂わせる風景
悲しさ、寂しさに包まれながらも
聖母に抱かれているような
落ち着ける居心地の良さ
嬉しいのに悲しくて涙が出る。
いわゆる
毎日がエブリデイというやつですね。
干渉に浸りながら
ショッピングモールを後にして
青森の町並みを眺めるべく
昨日同様にあてもなくふらふらと
歩くことにしました。
昭和の時代を生きたことはありませんが
どことなく昭和の雰囲気を思い出すような
懐かしい匂いや町並みを眺めながら
ただ、目の前にある道を歩き続けて
気がつく頃には暗くなっており
流石に今日は何処か泊まる場所を探そう
と、思い近くを捜索してみることに。
しかし随分と歩いていたこともあり
周りには少しの民家もなく
ポツポツと外灯があるだけの道
前を見ても、後ろを見ても
建物はなく、ただ道があるだけ。
それからまたしばらく歩き続けても
景色こそ変わるものの
ただ舗装された道が続くだけ。
宿を探そうと決めた頃から
3時間ほど経っており
ああ、どうしようか。
と、少し不安になりながらも
どうすることも出来ず
ただ、歩き続けるのみ。
暗い道をしばらく歩き進めると
一ヶ所だけやけに明るい場所を見つけ
距離が近くなると
建物があると分かり、少し速足で
そこまで向かうことにしました。
辺りに民家がない、ただの道の途中に
光り輝くカラオケ店があったのです。
暗闇の中を彷徨い続け
数時間ぶりに見つけた灯り
深夜、外灯に集まる虫の如く
カラオケ店の明るい光に
吸い込まれるように駆け寄りました。
虫の気持ちが分かったような気がする。
しかし、入店はせず
店の外で人工的な光を存分に浴び
ここが異世界ではないという安堵
人が生息していると確信した私は
思う存分、光を堪能し
再び、人里を目指して歩き始めました。
それまで、民家すらない
ただの道だと思っていた景色を
改めて見てみると
光が灯っており
目を凝らさずとも道の途中には
民家が建ち並んでいました。
知らない場所に1人
夜の恐怖、そして歩き続けた疲労
色々な要素が交わり
確かに存在しているものを見落とし
それまで呆然と歩き続けていたのだと
ひとつの大きな光を見たことで
抱えていた不安や恐怖が吹き飛び
心の霧が晴れたのだと思います
光って偉大。
歩き進めていく内に
閉まってはいるが、馴染みのある
チェーン店の看板や
信号、ある程度、車が通っている道路を
確認し
大きなタイヤ工場のような場所の
横道を歩いた末に
ネットカフェを見つけ
泊まることにしました。
初めての青森県では
到着当初は興奮していたものの
次第に
初めての土地への不安
昨日から歩き続けていた疲労
で気付かぬ内にネガティブな思考に
襲われ、どんよりとした気分で
1日を終わらせました。
それではまた次回