【詩】初期的な何か
例えば雨が降ってることについて
根本的な感覚を真っ直ぐ苦悩した
詩があったら素晴らしいと思うの
そういうのが本当に狂おしいの
触って、見て、嗅いで、聴いて、
味わうってのだけは絶対除外する
美味しいって感覚は本当に醜い
犠牲に無自覚な感覚は鈍さの証明だ
前にずっと部屋の中だけで
育ってきた猿が人生でやっと
解放されて初めて見上げた青空
あの驚きを見て胸を掻きむしった
初期衝動って言葉にしちゃうの
ほんとにナンセンスだと思うの
たぶん音楽雑誌が悪いんだよ
あいつらが全てを台無しにした
ほんとうに恐るべきものを
前にしたとき言葉という武器が
こころの底から無力だと感じる
でもそれを追求する得物を探す
きっと空を弄らずには居られない