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【献詩】サキュバス
サキュバスという存在は
もう皆が踏まえていると思うけれど
美しい女性の姿をした悪魔であり淫魔
夢や現実に男を誘惑し性行為によって
精を搾り尽くし衰弱させ死に至らしめる
なんて素敵な
過去を紐解けばサキュバスのことを
"ドブ女"と呼んで蔑む輩も居たらしい其れは
ある意味では純粋な抗いだったのだろうか
女性性は男性性と相対する宿命である限り
性的なイメージと分かち難くサキュバスを
"ドブ女"呼ばわりすることは女性差別的な
ニュアンスを帯びるのではないだろうか
サキュバスに取り殺されることは男性性の
エロスとタナトス両面の悲願であり文字通り
夢であり
男のほうはえらくサキュバスに執心しがちで
女性はどう思うのか僕は男だから解らない
兎に角サキュバスは男の性的な夢であり
堕落や死への憧れであり美しい女性への
精一杯の男なりの歪んだ賛辞なのだろう
無駄な抵抗だ
僕はと言えば永遠にサキュバスのものだ