【詩】虹彩は無限
①
君の眼を一瞬でも
近くに覗き込めたら
其れは世界の願い
其処は深い深い透明の
太陽光のゆらぎより透明の
秘められた有限の水源
無限なものは君の嗜む紅茶
②
君の虹彩を一頁でも
隣合わせに解読出来たら
其れは宇宙の想い
此処に透き通る深淵の
午前0時の夏の始まりの
閉じ込められた有限の知覚
無限なものは君の知る書物
③
君の瞳孔を1mmでも
正確さを以て描写出来たら
其れは時空の期待
彼処に輝く海月の透刻の
反射角が滲んでいる融黒の
研ぎ澄まされた有限の潮汐
無限なものは君の開く航路