マガジンのカバー画像

暁に薮を睨む

180
刀篤(かたなあつし)の厳選した詩集です。
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

詩:『斜陽』

詩:『斜陽』

『斜陽』

夕日よ
あなたが見つめ続けた歴史の終幕
わたしが失望した営み
帳を迎える人類の斜陽の顛末を
今此処に論じてください

記憶が心の本質であると
人類は看破しました
ならばあなたには
心があることが仁義なのだ

夕日よ
どうか思い出してください
わたしがいつもあなたに
絶望的な気持ちで明日を委ね
その美しさに涙していたこと

いつか自我に目覚めるAIが
自己存在を証明する為に
人類より設定

もっとみる
詩:『千本ノック』

詩:『千本ノック』

『千本ノック』

自分の心臓をノックノック
返事がありません内部は空です
夕方路線バス膝上のバッグに
うつ伏せになって疲れ果て
目をつぶっている女これで
何度目だ?千は行ったろう
神よ
もし居るなら俺の傷みを知れ

詩:『パワー』

詩:『パワー』

『パワー』

祈りは祈りとして承っておきます
自分の手の平をジッと見つめて御覧なさい
あの日の游戏中心のサウンドトラックは
今もあなたの血管内で鳴り止むことがなく
支配性……暴力性……狂気性……
ともすれば戦争を仕掛ける類の指向性
スピリット……エネルギー……パワー!!
わたしたちが生きてゆくということは
恒久性……先鋭性……蹂躙性……
力が疾駆した究極のところで得るものです
それは祈りと対極のと

もっとみる